冬になると、朝の身じたくのとき、ふとかかとや足裏の乾燥や角化に気付いて、乾燥が気になる季節がやってきたことを感じる方が増えてきます。この記事では、かかとや足裏がガサガサ・コチコチになる原因とともに、ケアのポイントをご紹介します。
足裏やかかとがガサガサ・コチコチになる原因は?
- 肌は角質細胞間の水分や毛穴の皮脂腺から分泌される皮脂で適度な水分量と滑らかな肌を維持している
- 足裏には毛がないため皮脂分泌がされない
- 冬の乾燥した空気に加え、暖房器具の使用で肌の水分が逃げやすくなった結果、乾燥したり角化したりする
ガサガサ(乾燥)・コチコチ(角化)とは
- 乾燥
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- 皮脂と水分不足によって皮膚のひび割れ、めくれ、粉ふき、かゆみを引き起こす
- 角化
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- 乾燥、摩擦や圧迫で正常なターンオーバーが損なわれ、角質が溜まって皮膚が硬くなる
ケアのポイント:乾燥の場合
- 粉ふきや軽いかゆみなど、軽度の乾燥の場合
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- 化粧水タイプの薬剤でケア
- ひび割れや皮のめくれなど、重症の場合
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- クリームやオイルタイプの薬剤でケア
日中はもちろん、寝るときも靴下を履くと乾燥を防ぐことができます。
なお、1回に塗る保湿クリームの量は、指先から第一関節までの長さが最適です。入浴後を中心に1日数回、マッサージしながら患部に塗りましょう。
角化した足裏やかかとのフットケアのポイントは?
- 角化した部分にまだ弾力性があって柔らかい場合
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- 尿素配合の保湿クリームを塗りこんで、少しずつ柔らかくする
- 弾力性がなく、少し硬くなっている場合
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- 角質ケア用のやすりや軽石・スクラブなどで角質をこすり落とし、保湿クリームを塗る
- 何層にも角質がたまって、たたくと音がするくらい硬い場合
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- 入浴で十分に柔らかくしてから軽石でこするか、電動の角質削りで角質を除去する
いずれの角質ケアも、やり過ぎると角化を悪化させる恐れがあります。角質ケアできれば2週間に1回、多くても1週間に1回程度にとどめましょう。
また、角質を削るときも、皮膚を傷つけないよう少しずつ行ってください。乾燥は角化を悪化させるため、保湿することも大切です。
ケアをしているのに改善しないときは?
- 乾燥・角化ケアを欠かさず行っても改善しない場合、水虫の可能性がある
- 水虫は男性がかかりやすく、足指の間がじゅくじゅくになるというイメージがあるが、最近は乾燥タイプの水虫を発症する女性が増えている
- 改善がみられない場合は、皮膚科で検査してもらう
乾燥タイプの水虫の特徴
- かゆみが少ないが治りにくい
- 足裏全体の皮膚が厚く、硬くなってひび割れる
まとめ:足裏やかかとのガサガサには、症状にあった角質&保湿ケアを
- 足裏やかかとのガサガサは、乾燥した空気の影響で起こる乾燥や角化の症状
- 原因や症状の程度によって、ケアの仕方が変わる
- 適切なケアを続けても症状が改善しない場合、水虫の可能性もある
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
乾燥タイプの水虫はあまり自覚されにくく、ただの乾燥肌と考えられ放置されることも多いです。しかし、水虫の場合は皮膚バリアの破壊が起こり、そこからの皮膚軟部組織の感染症を発症するなどのリスクがあります。正しい知識を周知することが大切です。