赤ちゃんへの処方薬、飲んでもらうためのポイントは?

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

赤ちゃんの体調が悪くなったときも、大人と同じように病院を受診します。そのとき、体調や症状によっては、赤ちゃんにも薬が処方されることがあります。

赤ちゃんに薬を処方されたら、お母さんやお父さんにどのようなことを伝えればよいのでしょうか。また、飲ませるときのコツや注意点にはどんなものがあるのでしょうか。薬の形状ごとに、飲ませ方や注意点をご紹介します。

赤ちゃんの薬を渡すときに伝えるポイント

薬が処方された目的
  • どの症状に処方されたか
  • どんな目的で処方されたか
薬の名称
  • 薬の商品名を一緒に確認する
いつまで使うのか
  • 症状がおさまったら服用を中止してよいか
  • 処方された分はすべて飲み切ったほうがよいか
飲むときの注意点
  • 飲み方
  • 一緒に飲んではいけない飲み物
副作用など、服用中に起こり得ること
  • 眠気
  • 喉の渇き
  • 便や尿の色が変わることもある など
次の受診日
  • 症状がおさまったら受診しなくてもよいか
  • 治ったかどうかを確認するために受診が必要か

赤ちゃんに薬を飲んでもらうコツは?

シロップ

  1. 容器をゆっくり振り、中身を均一にする
  2. 1回の服用量をきちんとはかる
  3. スプーンやスポイト、哺乳瓶の口、小さなカップなどで飲ませる
  4. 薬を飲ませた後、水やミルクを飲ませる

使ったスポイトやカップは雑菌が繁殖する恐れがあります。使用後は必ずよく洗って乾燥させることも伝えましょう。また、常温保存だとカビや雑菌が繁殖しやすいため、冷蔵庫で保管することも伝えてください。

粉薬

  1. 1回量に1~2滴の水を加え、ペースト状にする
  2. 清潔な指で取り、頬の内側や上あごに塗る
  3. 水やミルクを飲ませ、飲み込ませる

口の中に塗るときは、吐き出しづらく、飲み込みやすい頬の内側や上顎に塗るのがコツです。また、少量の水やぬるま湯に粉薬を溶かし、スポイトなどで飲ませることもできます。溶かした薬は時間が経つと苦味が出ることもあるため、飲ませる直前に溶かすよう伝えてください。

飲ませた後にもう一度水を飲んでもらい、口の中に薬の味が残らないようにします。薬の成分が変質恐れがあるため、お湯ではなく、お水を飲ませるよう伝えてください。

座薬

  1. カッターやはさみで、シートごとにカットする
  2. 清潔な指でシートから取り出し、オムツを替えるように赤ちゃんの足を上げる
  3. とがった方を手で少しあたため、丸みをもたせたら、肛門に素早く挿入する
  4. 挿入後、10秒ほど肛門をティッシュなどでおさえておく

挿入の刺激で排便してしまうことがあるので、なるべく排便後に使うよう伝えてください。また、万が一に備えて赤ちゃんの下にオムツやシートを敷いておくことも併せて伝えましょう。

点眼薬

  • 赤ちゃんを仰向けに寝かせて、ももで頭を固定する
  • 赤ちゃんが目をつぶった状態で、目頭のそばに1滴点眼する
  • まばたきさせると薬が入っていったら、溢れた分を拭き取る

赤ちゃんが嫌がるときは、寝ているときに目薬をさしても構いません。ただし、泣いているときは、目薬も一緒に流れ出てしまうため避けてください。

点耳薬

  1. 薬の容器を手でしばらく握り、人肌に温める
  2. 赤ちゃんの頭を横(薬を入れる側の耳を上にする)にして、耳の穴の壁に沿うように薬を入れる
  3. 耳たぶを軽く回して薬をなじませ、しばらくそのままの姿勢を保つ
  4. 溢れた薬液を拭き取る

薬を飲ませるのに困ったときは?

シロップ剤

  • しばらく時間を空けて、もう一度飲ませてみる(30分~1時間程度の時間のズレは気にしなくてよい)
  • 冷たいものは味覚を鈍らせるため、シャーベット状にしてみる

ただし、冷やすと成分が変質するものもあること、冷えから咳を誘発する可能性もある点に注意が必要です。また、時間をおいたり、方法を変えたりしても服用できないときは、医師・薬剤師に相談します。

座薬

  • 座薬を入れてほどなく排便した場合、座薬がそのまま出てきたらもう1回挿入する
  • 既に座薬の形がなくなっていれば、吸収されたと考えてよい

まとめ:赤ちゃんに合った方法で薬を使ってもらいましょう

  • 赤ちゃん用の薬には、シロップ剤・粉薬・座薬・点眼薬・点鼻薬などがある
  • 座薬や点眼薬・点耳薬の場合は失敗が少ない
  • 座薬がそのまま出てきたらもう一度挿入する

医師から薬剤師の方々へコメント

前田 裕斗 先生
前田 裕斗 先生

赤ちゃんに薬をあげるとき、どうすればよいか困ったことがある人は多いと思います。もちろんこの記事に書いてあることがポイントなのですが、なかなか実感がわかないときは、かかりつけの医師・薬剤師に相談したり、動画投稿サイトを参考にしたりするとよいと思います。