赤ちゃんと過ごしていると洗濯物があっという間に増えていきます。すぐに洗いたいところですが、赤ちゃんの洗濯物は大人のものと一緒に洗ってよいのでしょうか。この記事では、赤ちゃんの洗濯物の洗い方や洗剤の選び方、干すときのポイントをご紹介します。
赤ちゃんの洗濯物は個別に洗ったほうがいい?
- 赤ちゃんの肌は大人と比べてデリケートなため、大人にはまったく問題ないわずかな刺激にも過敏に反応してしまうことがある
- 大人の洗濯物に使う一般的な洗剤や柔軟剤は赤ちゃん用の洗剤より強力で刺激も強い
- 成分が洗濯物に残っていると、赤ちゃんに肌トラブルを引き起こしてしまう可能性がある
- 新生児期を過ぎたころ(生後2カ月目ごろ)までは、大人の洗濯物とは別に洗ったほうがよい
なお、大人用の新品の衣類に、ホルムアルデヒドなどの化学物質が使われていることがあります。ホルムアルデヒドは衣類の縮みやシワを防ぐ目的で使われていますが、水に溶けやすく、他の洗濯物にも移りやすいという特徴もあります。
赤ちゃんの洗濯物と一緒に洗濯すると、ホルムアルデヒドが赤ちゃんの洗濯物に付着する恐れがあります。赤ちゃんの洗濯物と大人の洗濯物を一緒に洗うようになっても、大人の新品の衣類を最初に洗うときだけは別々に洗濯しましょう。
赤ちゃんの洗濯物はどんな洗剤で洗うのがおすすめ?
- 赤ちゃんの洗濯物には、蛍光剤・漂白剤・着色料無添加の赤ちゃん用洗濯洗剤を使う
汚れを落としやすくする工夫
- タンパク汚れ(母乳やミルク、離乳食の食べ残しなど)
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- 時間が経つと落ちにくくなるため、汚れたらなるべく早く洗う
- 洗濯機に入れる前に、ざっと水洗いする
- 便の汚れ
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- かたまりはトイレに流す
- シミになりやすいため、水かぬるま湯で手洗いする
- それでも落ちなければ、赤ちゃん用洗濯洗剤を少量溶かした水につけ置きしてから洗濯機で洗う
- 感染性胃腸炎などの吐瀉物や便の汚れ
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- 塩素系漂白剤を薄めた液につけ置きし、まず細菌やウイルスを消毒する
- 他の洗濯物と分け、汚れた洗濯物だけで洗う
柔軟剤は使ってもいい?
- 柔軟剤は、メーカーが安全性を確認しているものがほとんどなので、赤ちゃんの洗濯物に使っても構わない
- 大人用の柔軟剤を使うのは心配な場合、赤ちゃん用の柔軟剤も販売されているので、それを使うのもおすすめ
- ただし、柔軟剤の中には洗濯洗剤よりも界面活性剤を多く含んでいるものもある。成分表示をきちんと確認するとともに、決められた用量を守る
洗濯物を干すときの注意点は?
- 天気のよい日に干す
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- 太陽光の殺菌効果で、雑菌の繁殖を予防できる
- シミなども太陽光による漂白効果で薄くなることがある
- ベビー用ハンガーを使う
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- 赤ちゃん服を買ったときにハンガーを活用する
- ランジェリー用ピンチハンガーなど、大人用の小さい道具を使ってもよい
- 外の環境が悪いときは部屋干しにする
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- 花粉・黄砂・PM2.5などの飛散が多いときは部屋干しする
特に、花粉や黄砂・PM2.5などが飛びかう春先は注意が必要です。こうしたアレルゲンが赤ちゃんの洗濯物にたくさんついてしまうと、赤ちゃんがアレルギーを起こしたり、呼吸器や循環器などに悪影響を及ぼす恐れがあります。花粉や黄砂の飛散が多い日は、晴れていても部屋干しにしましょう。
まとめ:赤ちゃんの洗濯物は、生後2カ月ごろまでは大人の洗濯物と分けましょう
- 生後まもない赤ちゃんの肌はデリケートなため、ちょっとした刺激に弱い
- 大人の衣類用洗剤に含まれる成分などにも敏感に反応するため、おおよそ生後2カ月目ごろまでは、赤ちゃんの洗濯物と大人の洗濯物を分けて洗う
- 洗剤も赤ちゃん用のものを使う
- 洗濯洗剤と柔軟剤はお肌にやさしいものを選ぶのがおすすめ
- 干すときは太陽光に当てたほうがよいが、春先は花粉や黄砂などのアレルゲンが多く飛んでいるため部屋干しにする
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
新生児の皮膚はバリア機能が未発達で、さまざまな刺激に弱い時期です。皮膚からの抗原に感作されることで、アレルギーの原因となるような例も報告されています。必要以上に敏感になる必要はありませんが、できることから注意するとよいことを伝えましょう。