「緑茶でメタボを解消!」といった話題がのぼることがあります。緑茶を飲むだけでやせられるなら夢のようですが、本当にやせられるのでしょうか。
緑茶のカテキンはメタボ解消に役立つ?
- メタボ(メタボリックシンドローム)とは、食生活の乱れや運動不足で内臓脂肪が蓄積した結果、脂質異常、高血糖、高血圧のうち2つ以上に該当している状態
- 研究で、高濃度茶カテキンには、体内の脂質代謝を活性化させて体脂肪を減らす効果があることが明らかになった
やや太めの男女80名を2つのグループに分け、食事内容と運動量は変えずに、一方には高濃度茶カテキン飲料(1本あたり茶カテキン588mg含有)を、もう一方には通常の茶カテキン飲料(1本あたり茶カテキン126mg含有)を1日1本、12週間飲み続けてもらったところ、高濃度茶カテキン飲料を飲んだグループは、通常の茶カテキン飲料を飲んだグループに比べて体重やBMI、腹部脂肪量(内臓脂肪量、皮下脂肪量)が減少傾向にあることがわかりました。
そのほか、高濃度茶カテキンの摂取を続けることで、生活動作による脂肪燃焼量や食事から摂取した脂肪の燃焼量が増えることや、肝臓や筋肉での脂質代謝が活性化することも判明しています。
カテキンとカフェインの相乗効果で肥満を抑えられる
- 高濃度茶カテキンとカフェインが組み合わさると、緑茶と同様の脂肪蓄積抑制作用があることも判明
- 高濃度茶カテキンとカフェインが持つ脂肪細胞や肝臓の脂質代謝を改善する作用や、体内の熱産生機能を促す作用が関わっていると考えられる
緑茶+運動で、さらにメタボ解消効果アップ!
- 高濃度茶カテキンの継続摂取に加えて歩行運動を行うと、日常的な脂肪燃焼量の上昇がみられることが判明
- 効率よく脂肪を燃焼させたい方やメタボを解消したい方、メタボ予防効果をより向上させたい方は、緑茶に加えてウォーキングなども並行して行うとよい
まとめ:高濃度茶カテキンにメタボ解消効果がみられます
- 高濃度茶カテキン飲料を飲むと、脂肪を燃焼しやすくする効果がある
- 高濃度茶カテキンとカフェインを組み合わせると、脂肪蓄積抑制作用も期待できる
- 高濃度茶カテキン摂取と運動で脂肪燃焼をさらに促すこともできる
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
緑茶に含まれるカテキンにはさまざまな健康効果が報告されており、海外でも緑茶が流行しています。緑茶にはカフェインも含まれており、緑茶を飲むだけでカフェインとカテキンの相乗効果が得られるわけですが、実は緑茶に含まれるカフェインの量は比較的多く、過剰摂取による副作用にも注意が必要です。もし、緑茶を飲みすぎて動悸や気持ち悪さといった症状が出るようであれば、緑茶の飲みすぎの可能性を伝えてください。