口臭の原因として細菌や食べ物などが考えられますが、実はピロリ菌が口臭の原因になっていることもあります。この記事では、一般的な口臭の原因も紹介しつつ、ピロリ菌が口臭の原因なる理由も解説します。
口臭の原因は?
細菌
- 常在菌が、口内に残る食べ物のカスや古い細胞などを分解するときに臭いが発生する
- 歯垢(プラーク)や舌苔(ぜったい)も細菌のすみかとなる
細菌の活動を抑えるために、唾液が重要な役割を果たします。しかし、加齢や月経などの生理的な原因やストレス、薬や病気などで唾液の分泌が減ると口臭が強くなります。
食べ物・嗜好品
- にんにくやニラといったにおいの強い食べ物、お酒、タバコや薬などが原因で口臭が発生する
病気
- 虫歯や歯周病も、口臭を引き起こす
- 内科的疾患など、体の不調も口臭の原因になる
- 鼻などの炎症、胃腸の不調、糖尿病、肝臓病など、不調の種類によって口臭の特徴が変わる
- 心因性(「自分の口臭がひどい」と思い込んでしまう)のものもある
ピロリ菌感染も口臭の原因になる?
- ピロリ菌感染も口臭の原因となる
- ピロリ菌が分泌するアンモニアが口臭の原因
- ピロリ菌を除菌すれば、胃の調子だけでなく口臭も改善する可能性がある
口臭からピロリ菌感染を確認できる?
- 尿素呼気試験を受けると、ピロリ菌に感染しているかどうかがわかる
- 尿素呼気試験は、検査薬(尿素)を服用後、呼気を集めて採取し、含まれる二酸化炭素濃度を測定する検査。除菌治療後にわずかに残った菌も探知できると言われている
- ピロリ菌が生息しているとウレアーゼが生成される
まとめ:口臭の原因は、細菌や食べ物の残りかすなどが原因で起こります
- 口臭の原因として、口内の細菌や食べ物の残りかす、嗜好品などがある
- そのほか、ピロリ菌が分泌するアンモニアが口臭の原因となり得る
- 口臭の原因がピロリ菌かどうかは、尿素呼気試験で判定できる
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
いわゆる口臭で最も頻度が高いのは口腔由来の口臭で、全口臭の80%以上が口腔由来と考えられています。つまり、口臭の主要な原因は、口腔内に残存した食物残渣や細菌などから構成される舌苔のほか、歯周病や義歯を含む口腔内の清掃が行き届いていないことが原因とされています。
口腔由来以外の口臭の原因として、本記事で述べられたようなピロリ菌感染のような内科的疾患が考えられますが、比較的低頻度です。ピロリ菌感染は胃炎や胃癌の原因ともなるため、検査することは大切ですが、口臭が気になるときはまずは歯科を受診し、それでも改善を認めない際にその他の内科的疾患を考えるのが本筋です。