お弁当を作るときや、冷凍商品を温めるときなど、電子レンジを使う機会は多いと思います。この記事では、レンジで再加熱すると食中毒を予防できるかを解説します。
電子レンジで温め直すときの注意点
- 加熱ムラがあると、十分に殺菌できていない可能性があるため、食品を加熱するときは、途中でレンジから取り出してかき混ぜる
- 再加熱してもすぐ冷めてしまうため、温め直した食品はなるべく早く食べる
鍋などで再加熱する場合
- 鍋などで再加熱しても100%殺菌できるわけではないが、電子レンジより長く加熱できる
- 細菌の種類によって異なるものの、一般的に75℃で1分間ほど加熱すると、食中毒菌の殺菌効果が得られる
お弁当のおかず、詰め方のコツ
- 卵焼きやおかずはしっかり加熱してから入れる
- 冷凍庫に入れていた肉や魚は、事前に解凍してから調理する。中心部まで火が通っているか確認することも忘れない
- おかずはしっかり冷ましてからお弁当箱に詰めると、水分が付着して細菌が繁殖しやすい環境を予防できる
- おかずを詰めるときは菜箸などを使う
ハンバーグ・肉団子・唐揚げなどは、軽く温めた程度では加熱が不十分になることが多いので、小さく切ってから加熱するようにしましょう。また、自然解凍できる食品や、作り置きの食品を冷凍保管しておくと便利です。冷凍のひと口ゼリーなどを入れておくのも、保冷剤代わりになります。
食中毒予防のための、食材の扱い方のポイント
買い物中
- 消費期限を確認する
- 生鮮食品(肉や魚)や冷凍食品は最後に買う
- 生鮮食品はビニールに小分けにして袋に入れる
- 食品の鮮度が落ちるのを防ぐため、早めに帰宅する
家庭で保存するとき
- 購入した食品はすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
- 生鮮食品は袋や容器に入れ、他の食品と分ける
- 生鮮食品を調理する前は必ず手指をよく洗う
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に設定する
- 冷蔵庫や冷凍庫に詰めすぎない
調理中
- 調理前に石鹸で手を洗う
- 野菜は流水で洗う
- 生肉や魚の汁が、生で食べるもの(サラダや果物)や調理済みの食品にかからないようにする
- 生肉や魚、卵を触ったら手を洗う
- 包丁やまな板は食品の種類ごとに使い分ける(肉用、野菜用など)
- 冷凍食品は使う分だけ解凍する
- 冷凍食品の自然解凍は避ける
- 使用済みのふきんやタオルは熱湯で煮沸後、しっかり乾かす
- 使用済みの調理器具は熱湯や台所用殺菌剤で殺菌する(特に生肉や魚の調理後)
調理
- 調理前に手を石鹸で洗う
- 肉や魚は中心部を75℃で1分間以上加熱する
食事
- 食事前に石鹸で手を洗う
- 食器は清潔なものを使う
- 料理は長時間室内に放置しない
- 保存するときは冷蔵庫に入れる
残ったおかず
- 食品を扱う前に手を洗う
- 保存する容器は清潔なものを使う
- 温め直すときも十分に加熱する
- 時間が経ち過ぎたものは処分する
まとめ:電子レンジの使い方を工夫して、食中毒を予防しましょう
- 電子レンジで食中毒を完全に防ぐことはできない
- ただし、使い方を工夫すればリスクを減らすことができる
- 食品を触る前には手洗いをしっかりと行う
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
主婦や忙しい方にとって、作り置きのおかずは心強い味方ですが、特に夏場は保存に注意が必要です。まず保存容器の煮沸を忘れないようにしましょう。その上で水分量が多いものはしっかりと水分を拭き取り、出来るだけ冷蔵・冷凍し、なるべく早く食べ切りましょう。
電子レンジで加熱するときは十分な加熱期間をとり、温める途中で適宜かき混ぜて均等に熱が加わるようにしてください。保存方法や解凍・温めを十分行って、食中毒を予防しましょう。