脱水症は屋外・屋内を問わず起こる可能性があります。なかでも、はっきりした体の変化が現れない「かくれ脱水」は症状の兆候に気づきにくいため、対処が遅れて重症化することがあります。この記事では、かくれ脱水のチェック方法と脱水の予防法について解説します。
かくれ脱水とは
- かくれ脱水とは、はっきりした症状が出ない脱水症のこと
- 通常の脱水症は、ひどくのどが渇く、吐き気、めまい、感情の変化といった症状がみられるが、かくれ脱水では口の中のねばつき、便秘、夏バテのような疲労感といった症状がみられる
- 脱水症の前段階のため、放置すると症状が進んで脱水症に陥り、重症化してしまう恐れがある
かくれ脱水セルフチェックリスト
- 体の変化チェック
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- 肌の乾燥がひどくなった(かさつくようになった)
- 皮膚がぽろぽろ崩れてくる
- 口のねばつきを感じる
- 唾液が出なくなったような気がする
- 食べ物やつばを飲み込みにくい
- 便秘になった。もしくは便秘が悪化した
- むくみがひどくなった
- 下着や靴下の痕がなかなかとれなくなった
- 集中力が散漫で、イライラしやすい
- 環境チェック
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- 最近、日光に当たる時間や外にいる時間が1時間以上ある
- 寝る前に水分を控える習慣がある
- 冷たい物(アイス、シャーベットなど)をよく食べる
- 利尿薬を飲んでいる
どちらもひとつでも当てはまるようならかくれ脱水の可能性があります。脱水症に進行しないよう、こまめに水分を摂ったり、暑いところや直射日光が当たる場所で長時間過ごさないようにしましょう。特に、高齢者や子供、糖尿病や心臓病、高血圧などの持病がある方は脱水症が悪化しやすいと言われています。
脱水症は熱中症を招く?
- 熱中症は、体の水分と電解質(塩分)のバランスが崩れた結果、体温調節ができなくなることでも発症する
屋外での対策
- 予防にはこまめな水分補給と日陰の利用、暑さや直射日光を避ける(脱水症予防と同じ)
- 日傘や帽子、ペットボトル飲料を持ち歩く
- 万一に備えて経口補水液を持ち歩く(携帯しやすいゼリー状タイプでもよい)
屋内での対策
- エアコンで室内の温度を調節する(設定温度は28℃が推奨)
- 窓を開け、風通しを良くして湿度の上昇を避ける
- 遮光フィルムやすだれなどで直射日光を遮る
- 可能なら断熱材で外気の熱を遮断する
- ゆったりした服装を心がけ、吸汗性の優れた肌着を身につける
まとめ:ちょっとした体調変化をキャッチして、脱水症を防ぎましょう
- かくれ脱水ははっきりとした体調の変化が現れないことがあるので、サインを見逃して重症化しやすい
- チェックリストを参考にしつつ、疑わしいサインがある場合はこまめに水分補給して予防に努める
- 持病のある方は病院に相談する
- 脱水症は熱中症の原因にもなるため、早めに対処する
[senei002]「むくむのがいやだから」「お手洗いに何度も行くのはいやだから」といって夏場に水分を控えると、脱水症になってしまう恐れがあります。喉の渇きを覚えた頃にはかなり進行していますから、喉が乾いたと感じていなくても、こまめな水分摂取が欠かせません。脱水のリスクは、活発なお子さんや美容に気を遣う若い女性、工事現場で働く男性から自宅で休む高齢者まで、あらゆる世代の方にあります。夏場は特に、こまめな休憩、こまめな水分補給を伝えていってください。[/sensei002]