最近よく聞く「腸内フローラ」ってどんなもの?

CMや店頭などで「腸内フローラ」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。腸内フローラは、下痢や軟便などの症状と密接なつながりがあると言われています。どんなつながりがあるのかをこの記事で解説します。

腸内フローラとは?

  • 腸内フローラとは腸内細菌のこと。顕微鏡でみるとお花畑のようにみえるためこのように呼ばれる
  • 腸内フローラを構成する細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類がある
  • 腸内細菌は生活習慣や食生活、年齢などによって大きく変化し、そのバランスによって健康に影響を与える
  • 腸の健康を保つには、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスを2:1:7に保つのが理想と言われている
善玉菌
  • ビフィズス菌や乳酸菌などが代表的
  • 悪玉菌の増殖や侵入を防いだり、腸の運動を活性化させてお腹の調子を整えたりする
悪玉菌
  • ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌などが代表的
  • 腸内で有害物質を作り出し、便秘や下痢などのお腹の不調を引き起こす
日和見菌
  • よい働きと有害な働きを併せ持つ菌
  • 善玉菌と悪玉菌の優位な方に同調して働く

腸内フローラのバランスが崩れると?

  • 腸内フローラのバランスは、体調や食生活、年齢、ストレスなど、さまざまな要因で変化する
  • 悪玉菌が優位になると、腸内の有害物質が増加して下痢や便秘を引き起こす
  • 有害物質が腸から吸収され、血液によって全身に運ばれると生活習慣病や肩こり、肌荒れ、老化などの不調をもたらすと言われている

腸内フローラのバランスを整えるには

  • 食生活を見直して善玉菌を増やす
  • 食物繊維は、悪玉菌が作り出す有害物質の体外への排出を促す
  • ミルクオリゴ糖(ラクツロース)は善玉菌を活性化する作用がある
  • ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌にも悪玉菌の働きを抑える働きがある

体外から摂取したビフィズス菌は、腸内に長い間とどまることはできませんが、もともと腸内に生息しているビフィズス菌を活性化する働きがあります。

まとめ:食生活を改善して腸内フローラのバランスを整えましょう

  • 腸内には、腸内フローラを構成する腸内細菌が生息している
  • 腸内フローラは、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類される
  • 偏った食生活やストレスなどによって悪玉菌が優位になると、下痢や便秘などの不調を引き起こす
  • 普段から食物繊維やヨーグルトを摂るとともに、栄養バランスの良い食生活を心がける

医師から薬剤師の方々へコメント

前田 裕斗 先生
前田 裕斗 先生

一般的に、腸内細菌は多様性が重要と言われています。ヨーグルトや納豆、キムチなどのさまざまな発酵食品、食物繊維やオリゴ糖など腸内細菌の栄養となるもの、プレバイオティクスなどが免疫の活性化にも重要であることが最近わかってきています。

一方で、過敏性腸症候群やその傾向がある方は、発酵食品やプレバイオティクスの考えがむしろ有害となることもあり、注意が必要です。その場合は低FODMAP食という別の対処法が必要となりますから、胃腸のタイプに注意することが大切です。