花粉症といえば春に起こる症状というイメージがありますが、実は秋も花粉症の症状が出やすい季節です。この記事では、秋の花粉症の原因となる植物であるブタクサについて、その特徴や対策を解説します。
秋の花粉症を引き起こす花粉は?
- 花粉症を引き起こす原因となる花粉は、日本国内で約60種類が確認されている
- 原因となる花粉は1年を通して飛散しており、特に秋はキク科のブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどが飛んでいる
キク科のブタクサは8月~10月、ヨモギは8月中旬~10月、カナムグラは8月下旬~10月に花粉を飛散させます。どの植物も、公園や空地、河原など、市街地にも多く生息しているため、町中を歩くだけでアレルギーが発症することも少なくありません。
ブタクサってどんな植物?
- ブタクサは北アメリカ原産の外来植物で、強い繁殖力をもつ
- 日本だけでなく、アジアやヨーロッパ、南アメリカ、オーストラリアなどにも生息している
- ギザギザの葉っぱをもち、2mmほどの小さな黄色い小花を、7月~10月に細長く連なった房のように咲かせる
その年の気候によって多少変動しますが、ブタクサの花粉が飛散する時期は北から南へ移動するにつれて遅くなります(東北地方は7月下旬~10月下旬、九州地方では9月初旬~10月下旬に飛散します)。なお、ブタクサは北海道にはほとんど生息していません。
ブタクサの花粉症の特徴は?
- 症状は基本的に春の花粉症と同じ。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目や鼻、のどのかゆみ、肌の症状などもみられる
- ブタクサの花粉は粒子が小さいため、気管に入ってぜんそくのような症状を引き起こすことがある
- ブタクサは背が低い草花のため、花粉が遠くまで飛散することはない。したがって、ブタクサが繁殖する場所に近寄らなければ症状は現れにくい
ブタクサの影響を抑えるには?
- 春の花粉症と同じく、飛散した花粉を吸い込まないようにする
- ブタクサの花粉は粒子が細かいため、外出時はマスクやメガネ、帽子などを身に着ける
- 帰宅時は玄関の外で花粉をよく払い、手洗いやうがいを徹底する
- 河川敷や空き地など、ブタクサがたくさん生えていそうな場所に近寄らない
まとめ:ブタクサはスギやヒノキよりも粒子が細かい花粉が特徴です
- 春の花粉症のほうが話題になりやすいが、秋の花粉症にも注意が必要
- 秋にはキク科のブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの花粉が飛散する
- 主な症状として、目や鼻のほかにのどのかゆみやぜんそくなどがある
- 公園や空地、河原など、市街地にも多く生息しているため、近寄らないようにする
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
春が有名ですが、秋にも花粉症があります。症状については春の花粉症とほぼ共通で、透明な鼻水やくしゃみ、なんとなく微熱があるような感じがする、などです。もともと春に花粉症を発症する方が秋にも同様の症状が現れた場合、春と同じ花粉症対策を行うことで乗り切れます。また、マスク・うがい・洗顔・帰ってきたら服をよく払うなど、花粉を吸いこまない工夫も大切です。