花粉症で鼻水や鼻づまりがつらくなったとき、点鼻薬などでこうした症状を改善することができます。この記事では、点鼻薬の一種である血管収縮薬の特徴について解説します。
血管収縮薬とは
- 血管収縮薬は血管を収縮させて充血を解消し、鼻づまりを改善する薬
- 血管収縮薬だけが配合されているものと、ステロイドも配合されているものがある
花粉症の治療で使う血管収縮薬の種類
血管収縮薬のみ配合されているもの
- トラマゾリン塩酸塩(トラマゾリン点鼻薬)
- ナファゾリン硝酸塩(プリビナ®︎液)
- オキシメタゾリン塩酸塩(ナシビン®︎点鼻薬)
いずれの薬も速効性がありますが、効果は一時的です。
ステロイドも配合されているもの
- 塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン配合(コールタイジン®︎点鼻薬)
この薬も効果は一時的です。6歳以上の子供から成人に使いますが、年齢や症状に応じて、使用方法や使用量が調整されます。第2類医薬品です。
血管収縮薬で起こりうる副作用は?
- 長期間使い続けると、効き目が悪くなったり、粘膜の腫れが続く
- 乾燥やかゆみに加え、動悸や頭痛といった症状が出ることも
- 薬剤性鼻炎を発症する恐れもある
薬剤性鼻炎を発症した場合、血管収縮薬の使用を早急に中止し、原因疾患の治療を行います。一時的に症状が悪化する可能性もあるため、医師の指導のもと、段階的に中止することもあります。その場合、抗アレルギー剤とステロイド点鼻薬を併用した治療を行いますが、重症の場合は手術が選択されることもあります。
まとめ:血管収縮薬を使いすぎると症状が悪化することがあります
- 血管収縮薬は鼻の充血を解消して不快な症状を軽減する
- 即効性がある反面、頻繁に使いすぎると症状が悪化したり、薬剤性鼻炎を発症したりする恐れがある
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
花粉症のとき、血管収縮薬を使うにあたっては注意が必要です。というのも、3~7日間使うと血管収縮を引き起こすアドレナリン受容体が反応しなくなり、リバウンドが起こって症状が悪化することがあるためです。頻繁に購入する方がいたら、あくまで一時しのぎの薬であること、必ず病院で抗アレルギー薬などの薬をもらうことを伝えましょう。