止血薬としての「ビタミンK製剤」の特徴は?

ビタミンK製剤は、ケガをしたとき止血薬として使われることが多い薬です。この記事では、止血薬としてのビタミンK製剤の特徴や、その副作用などをご紹介します。

止血薬としてのビタミンK製剤とは

  • ビタミンKは脂溶性ビタミン。脂に溶けやすい性質を持つ
  • 骨の代謝だけでなく、血液凝固因子(第II、第VII、第IX、第X因子)の生産に欠かせない
  • ビタミンK製剤は、骨粗しょう症だけでなく、乳児ビタミンK欠乏性出血症(新生児などがビタミンKの不足により出血しやすくなる病気)の治療にも使われる

ビタミンKが不足すると、血液を固めるのに必要なタンパク質(プロトロンビン)が生成できなくなります。そのため、血が止まりにくくなったり、出血しやすくなったりします。特に、肝臓や腸などに病気がある方や、ビタミンKの吸収・代謝が弱い生後直後の赤ちゃんがビタミンK不足を起こしやすいです。

また、ワルファリンカリウム(ワーファリン®︎など)が効きすぎて出血した場合や、抗生物質の長期服用で出血した場合にも、ビタミンK製剤が使われます。

止血薬で使われる主なビタミンK製剤は?

メナテトレノン(商品名:ケイツー®︎)
乳児ビタミンK欠乏性出血症や分娩時出血などに使われる
フィトナジオン(商品名:ケーワン®︎)
ビタミンK欠乏性出血や肝障害に伴う低プロトロンビン血症などに使われる

シロップ剤、カプセル剤、注射剤があり、状況に合わせて使い分けます。

止血薬を服用中に起こる可能性がある副作用は?

  • 下痢や吐き気など、消化器に関する症状がみられることがある

処方時の注意点は?

  • ワルファリンカリウム(ワーファリン®︎など)との併用を避ける
  • ただし、ワルファリンカリウム投与中に「低トロンビン血症」が起きた場合は併用することもある

まとめ:止血薬として使われるビタミンK製剤は血液凝固作用があります

  • ビタミンK製剤はケガによる出血や、新生児の出血が止まらないときに使われる
  • ワルファリンカリウム(ワーファリン®︎など)が効きすぎたときや、抗生物質の副作用で出血が止まらない場合にも処方されることがある
  • 消化器症状の副作用がみられることがある

医師から薬剤師の方々へコメント

前田 裕斗 先生
国立成育医療研究センター フェロー
前田 裕斗 先生

ビタミンKを投与するケースとして、以下の3つを挙げることができます。

  1. 新生児のルーティン投与
  2. 欠乏症
  3. ワーファリンの効果を打ち消すため

ワーファリンとの併用は当然禁忌ですが、併用することはまずないでしょう。むしろ、ビタミンKが豊富に含まれる食品に注意が必要です。最も有名なのは納豆です。他食品よりも段違いに含有量が多いため、ワーファリン内服中の方には注意を促すようにしましょう。