避妊や生理痛の軽減、月経周期のコントロールのためにピルを服用するとき、最初に気になるのは副作用かもしれません。この記事では、ピルを服用中に起こりうる副作用とともに、発症リスクを高める生活習慣について解説します。
ピルの効果と副作用
効果
- 排卵を抑制し、月経周期のコントロールや月経痛の軽減、避妊効果をもたらす
- 正しく服用すれば、安全かつほぼ確実に避妊効果を得られる
副作用
- ホルモンバランスの乱れ
- 血栓症
ピルはエストロゲンを主成分とする経口避妊薬です。エストロゲンには血が固まりやすい性質があるため、服用中に血栓ができやすくなると言われています。
血栓症の初期症状
- ピルの副作用による血栓症は、服用開始から3カ月以内に最も起こりやすい
- 血栓症が疑われる初期症状
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- ふくらはぎの痛み
- 手足のしびれ
- 急激な視力低下
- 舌のもつれ
- めまい
- 激しい胸痛、頭痛、腹痛
ピル服用時に喫煙することのリスク
- 低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(日本産科婦人科学会)より
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- 健康な非喫煙者がピルを服用している場合:1
- 喫煙習慣のある人がピルを服用している場合:167
喫煙していない女性がピルを服用しても血栓症を発症するリスクは非常に低いのに比べると、喫煙している場合は血栓症の発症リスクが高いことが明らかになっています。
まとめ:ピルの副作用による血栓症、喫煙者の場合リスクが高くなります
- ピルの主成分であるエストロゲンには、血液を固まりやすくする働きがある
- まれに、服用中の副作用として血栓症を引き起こすことがある
- ただし、喫煙者の場合は血栓症を発症・重症化するリスクがとても高い
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
ピルで発症する血栓症のリスクは高くはありません。しかし、ピルの利用者数が爆発的に増加していることにより、実際にはピルによって誘発される血栓症はある程度存在すると考えられます。
たくさんの利用者がいる薬剤こそ、少ないながら起きる可能性のあるリスクについてはしっかりと説明しておく必要があります。喫煙習慣があったり血液凝固疾患をお持ちの方を見逃さないようにしましょう。