日焼けはシミや肌荒れといった肌トラブルの原因になるだけでなく、紫外線のダメージが蓄積して皮膚がんの原因になることもあります。日焼けのリスクは、大人はもちろん、子供にもあります。この記事では、日焼け止めの選び方と適切な塗り方を解説します。
日焼け止めは日焼け対策の基本
- 日焼けを防ぐには、日焼け止めを塗ることがとても重要
- 紫外線にはUVA(シワやたるみの原因となる)とUVB(皮膚を赤くしたり黒くし、シミや皮膚がんの原因となる)がある。両方の紫外線から肌を守る日焼け止めを選ぶ
- 理想はSPF30、PA+++以上の日焼け止めを、少なくとも2時間おきに塗り直すこと
- ただし、水泳をしたり、汗をたくさんかいたりした場合は、もっと頻繁に塗り直す
そのほか、紫外線が最も強い時間帯はなるべく外出しない、外出時はつばの広い帽子やサングラス、肌を覆う服を着ることも日焼け対策となります。
日焼け止めの正しい選び方は?
SPF
- UVBをどのくらい防御できるかを示す指標
- 素肌で20分間紫外線を浴びたときを基準する。たとえばSPF30の場合、20分×30=600分(10時間)UVBを防ぐことができる
- 日焼け防止にはSPF30以上のものを選ぶとよい
PA
- PAとは、UVAの防御力のこと
- PA+、++、+++、++++の4段階あるが、PA+++以上を選ぶとよい
ウォータープルーフ
- 肌が濡れても、40〜80分程度であれば紫外線のブロック機能が持続する
- 詳しい情報(耐水度や持続時間、また塗り直す頻度など)は商品パッケージを確認する
日焼け止めの種類(ジェル、クリーム、スプレーなど)の選び方は?
よく運動する方
- クリームタイプで、ウォータープルーフ効果のある日焼け止めがおすすめ
- 体を動かしたり、汗をかいても落ちにくい
- 落とすときは専用の石けんをしっかり泡立てて、やさしく洗い流す(無理にこすらない)
ニキビができやすい方
- オイルフリーのミルクや乳液タイプの日焼け止めを選ぶ
乾燥肌の人
- 先に肌を化粧水や乳液で保湿してからクリームタイプの日焼け止めを使う
子供
- 子供用として発売されているものや、刺激の少ないものを選ぶ
- 普通の石けんで落とせるタイプのものがおすすめ
- こまめに塗り直すこと
なお、生後間もない赤ちゃんの肌は非常にデリケートなので、日焼け止めは使わずに、日陰で過ごしたり、服で肌を覆ったりすることをおすすめします。
毛深い方
- スプレーやジェルタイプの日焼け止めだとスムーズに肌に塗ることができる
- ただし、スプレータイプは塗布量にばらつきが出やすいため、まず手に噴霧してから顔や体に塗るのがおすすめ
日焼け止めを塗るときの注意点は?
タイミング
- 外出する15分前くらいに塗ると肌の定着率が高くなる
- 外出後に塗ると、汗で流れ落ちてしまう可能性が高くなる
量
- ラベルや説明書きを確認して、適切な量を塗る
- 頬や鼻、首の後ろなど、日焼けしやすい場所は重ね塗りする
使用期限の確認
- 日焼け止めには有効期限があるため、ラベルやメーカーのWEBサイトで確認する
- 特に規定がない場合、購入してから1年以内に使い切る
- 古いものは、使い切っていなくても処分する
また、意外と忘れがちなのが唇です。唇も日焼けしますし、日焼けによって腫れたり、皮が剥けたりします。SPF15以上のリップクリームを塗りましょう。
日焼け止めが使えないときの日焼け対策は?
対策1:帽子、サンバイザーを使う
- 顔は衣類で隠すことができないため、屋外では常に紫外線にさらされた状態になる
- 帽子やサンバイザーなどで紫外線が当たる部位を極力抑える
対策2:日傘
- 日傘も帽子やサンバイザー同様、日陰を作って紫外線への露出を最小限にする効果がある
- 特に日差しが強い夏では、UVカット効果のある日傘を選ぶのがおすすめ
対策3. ラッシュガードを着る
- UVカット機能のあるラッシュガードを着ると、紫外線のダメージを最小限に抑えられる
- ラッシュガードは通気性がよい。なかには冷却効果がある素材を使ったものもある
まとめ:日焼け止めや日傘、帽子などで、適切に日焼けを予防しましょう
- せっかくの日焼け止めも、正しく塗らなければ効果は半減する。塗り忘れに気を付ける
- 日傘を持つ、日陰を歩くようにするなど、できることから日焼け対策をとる
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
日焼け止めの弱点は、汗などで流れてしまうと効果がなくなってしまうことです。特に、夏場は汗をたくさんかくので、2時間おきにこまめに塗り直しましょう。スポーツを行うときも同じです。
また、日傘やツバの広い帽子など、日焼け止め以外の予防策を取ることも大切です。自分にあったものを選び、日焼け止めと併用して紫外線から肌を守りましょう。