夏から秋にかけての季節の変わり目は、特に敏感肌の人にとって乾燥などの肌トラブルが起こりやすい時期です。この記事では、秋に肌トラブルが起こる原因や、秋のスキンケアのポイントをご紹介します。
秋になると肌トラブルが増える理由
夏に浴びた紫外線のダメージ
- 紫外線を浴び続けると、肌表面の細胞が傷つくだけでなく、角層内の保湿成分(セラミド)も減少する
- 肌の奥から乾燥した状態になるため、秋になると肌がカサカサしたり、ハリがなくなったりする
ターンオーバーの乱れ
- 紫外線を浴びるとメラニン色素が生成される
- 肌が健康であれば、メラニン色素はターンオーバーによって自然に排出されるが、紫外線の影響が残っているとターンオーバーがうまくいかず、メラニン色素が肌表面に残ってしまう
- その結果、秋にシミ・そばかす、くすみといった肌トラブルがみられる
気温・湿度の低下
- 肌は変化に適応できるよう、自然に汗の量や皮脂量を調節する
- しかし、季節の変わり目は変化の幅が一定ではないため、肌の調整が追いつかない
- その結果、皮脂量が急激に減って肌表面のバリア機能が乱れ、肌内部の水分が蒸発して乾燥状態が起こりやすくなる
秋のスキンケアの4つのポイント
その1:洗浄力が弱いミルクタイプのクレンジングに変える
- 洗浄力が強いクレンジングは、肌の保水力を奪ってしまう恐れがある
- ポイントメイク(アイシャドウ、マスカラなど)は部分的にオイルクレンジングを使うなど、適宜使い分ける
その2:保湿力のある化粧水や乳液に変える
- さっぱりタイプの化粧水や乳液は、量が少ないと肌の乾燥が悪化したり、正常なターンオーバーが乱れる原因となり、炎症が起こりやすい肌になる恐れがある
- 化粧水をつけたら、乳液やクリームでしっかりとフタをする
その3:保湿成分や皮膚の保護成分配合のスキンケアアイテムを取り入れる
- セラミド、スクワラン、ヒアルロン酸などには保湿・保水成分が、レシチンには皮膚の保護成分がある
- 上記の成分を含んだスキンケアアイテムを追加するだけでも、乾燥やくすみなどが改善される可能性がある
その4:ワセリンを塗る
- 乾燥がひどい場合は化粧水で保湿した後ワセリンを塗り、油膜を作って水分蒸発を防ぐ
- 肌荒れがひどい場合は、白色ワセリンを精製した「プロペト」を塗るのがよい
まとめ:スキンケア方法やスキンケアアイテムの見直しましょう
- 秋の肌トラブルは、夏の紫外線のダメージや、急激な温度や湿度の低下などが原因で起こりやすい
- この時期になると肌荒れがひどくなる方は、普段のクレンジングやスキンケア方法、スキンケアアイテムを見直してみる
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
夏から秋へと季節が移り変わる時期は温度や湿度が一定せず、体にとっても調整が難しい時期です。加えて、最近では残暑が厳しく、いきなり気温が激変することも多いため、より一層体調に注意を払う必要があります。
肌の調子にも同じことが言えます。肌の調子がなんとなく悪いと思ったら、一度スキンケア方法を見直して様子をみてみましょう。