花粉症と聞いて最初に思い浮かべるのは、春に多いスギやヒノキだと思います。しかし、花粉症を引き起こす植物は春にだけ繁殖するわけではありません。この記事では、秋の花粉症を引き起こす植物のひとつであるヨモギについて、飛散時期やブタクサとの共通点、対策をご紹介します。
花粉症は秋にも発症する?
- 秋の花粉症はヨモギが原因で発症する
- ヨモギはキク科の多年草で、夏から秋にかけて花粉を飛散させる
特にヨモギ花粉の飛散量が多い地域
- 関東地方
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- 7~11月に多くなる
- 1立方センチメートルあたり5個程度飛散する
- 東北地方
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- 8~10月に多くなる
- 1立方センチメートルあたり5個程度飛散する
- 関西地方
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- 8~11月に多くなる
- 1立方センチメートルあたり1.1~5.0個程度飛散する
- 九州地方
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- 8~11月(特に9月下旬)に多くなる
- 1立方センチメートルあたり1.1~5.0個程度飛散する
ヨモギとブタクサの共通点は?
- ヨモギの花粉は、ブタクサなどと同じ草本花粉(そうほんかふん)に分類される
- 草本花粉とは、ヨモギやブタクサなどキク科、またはイネ科などの雑草から飛散する花粉の総称
- 草本花粉の特徴
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- 樹木花粉に比べ飛散距離が小さく、数十~数百メートルくらいしか飛ばない
- 春先ではなく、7~11月の夏から秋にかけて飛散する
- 鼻づまりや鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどに加え皮膚のかゆみを引き起こしやすい
秋の花粉症から身を守るには
- マスクを着けて、鼻や口から吸い込む花粉の量を減らす
- こまめにうがいをして、のどの粘膜に付着した花粉を洗い流す
- 外出先から帰ってきたら、手洗いと洗顔をして皮膚についた花粉を洗い流す
- 帰宅後や外に干した洗濯物を取り込むときは、服などをよく払って表面に付着した花粉を落とす
- ヨモギやブタクサなどが自生している河川敷や公園、空き地には近寄らない
そのほか、大気汚染も秋の花粉症を悪化させる恐れがあります。排気ガスの多い幹線道路沿いや、高層ビル群などもできるだけ避けましょう。
まとめ:7~11月の秋にかけての花粉症は、ヨモギなど草本花粉症によるものです
- スギやヒノキ以外にも、花粉症を引き起こす植物がある
- 夏から秋ごろにかけて飛散量が多くなるヨモギも、秋の花粉症の原因となりうる
- スギなどの樹木花粉に比べると飛散範囲が狭く、時期が遅くなるのが特徴
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
花粉症の症状や対策はほぼ共通していますが、花粉の種類によっては少しずつ異なることもあります。秋の花粉症の原因となるヨモギやブタクサは公園などに自生しており、花粉が飛ぶ範囲が狭いのが特徴です。そのため、ジョギングなどを趣味にしている方は、出来るだけ公園内など花粉が飛んでいないところで行うとよいでしょう。通勤や通学なども同様です。基本的な対策は春の花粉症と同じなので、マスクやうがい、室内に入る前に花粉を落とす、といった対策を心がけましょう。