糖質制限ダイエットのブームから、「太る」イメージがついている炭水化物。しかし、炭水化物はもともと人々の健康維持に欠かせない栄養素です。この記事では、炭水化物について解説するとともに、適量を摂取するコツをご紹介します。
炭水化物とは
- 人間の体や脳を動かす主要なエネルギー源となる栄養素
- 摂取すると体内で「糖」に変換され、体や脳を動かすエネルギーとなる
- 1日に必要なエネルギーのうち、60%は炭水化物から摂取していると言われる
- 炭水化物が不足すると、エネルギー不足で集中力の低下やイライラ、代謝の低下といった心身の不調を引き起こす
- 炭水化物を摂りすぎると「脂質」に変わり、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されてしまう
炭水化物が多く含まれている食品
- 穀類(米、小麦)
- 麺類(パン、パスタ、うどん、そば)
- いも類(じゃがいも、さつまいも)
- 砂糖
上記のうち、砂糖よりも穀類の方が糖への変換と体への吸収速度が緩やかで、エネルギー供給に適していると言われています。
炭水化物はどんな食べ物で摂るのがいいの?
- 血糖値上昇のスピードが遅く、GI値が低い食品(低GI食品)がおすすめ
- 食物繊維を多く含む炭水化物が低GI食品に該当する
低GI食品とは
- GI は Glycemic Index(食後血糖値の上昇を示す指標)。食品に含まれる糖質の吸収度合いのことで、摂取から2時間までの血中の糖濃度を測定したもの
- GIが55以下のものが低GI値食品となる
- 主な低GI食品
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- 玄米
- 押し麦
- 大豆
- さつまいも
- レーズン
食後血糖値の上昇スピードが早いとインスリンが過剰に分泌されるため、脂肪が蓄積しやすくなります。したがって、血糖値の上昇が緩やかな低GI値の炭水化物の摂取が効果的なのです。
まとめ:炭水化物は、低GI値の食品を中心に摂るのがおすすめです
- 炭水化物は、脳や体を動かすエネルギー源となる栄養素
- ただし、摂りすぎると脂肪として蓄積されるため、摂取量に気をつける必要がある
- 低GI値食品を意識して選ぶことで、食べすぎや急激な血糖値上昇を抑えることができる
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
炭水化物は体に必須のエネルギー源です。このため、適切な量の炭水化物の摂取が欠かせない反面、炭水化物(糖類)の急激な吸収は望ましくないインスリンの過剰分泌につながります。
過剰分泌を防ぐためには、低GIの炭水化物を選択することが効果的です。ただ、場合によってはパンやおにぎりといった高GIの食べ物しか選べないことも多いと思います。このような場合は、食物繊維が多く、血糖値の上昇を緩やかにする食べ物を先に食べて高GIの食べ物の吸収を遅らせるのがおすすめです。