抗生物質を服用したいけど手元に水がないとき、お茶やコーヒー、ジュースといった手近な飲み物で飲んでしまってもよいのでしょうか。この記事では、抗生物質を服用するときのポイントを解説します。
抗生物質の服用は「指示通り」がポイント
- 「抗生物質」は、微生物によって作られた、他の微生物や細胞の発育、機能を阻止する抗菌性の有機物質
- 「抗生剤」「抗菌薬」と言われることもある
- 使用する抗生物質や服用方法は、患者の年齢や体格、症状、腎臓や肝臓の状態によって異なる
- 自己判断で服用をやめると、再発リスクや薬剤耐性菌が生じる恐れがある
- 自己判断で過去に処方された薬を服用すると、思わぬ副作用に苦しむ恐れもある
抗生物質を飲むときの飲み物は?
- 多めの水(もしくは白湯)で服用すると、胃を保護することができる
- コップ1杯(約200cc)の水か白湯で飲む
一般的な錠剤を水なしで服用すると、薬が喉に貼りついて粘膜をいためる恐れがあります。「水なしで飲めます」とうたっている薬(OD錠)以外は、必ず水かお白湯で服用してもらいましょう。
抗生物質と一緒に飲んではいけない飲み物は?
- 抗生物質は牛乳と一緒に飲んではいけない
- 牛乳に含まれるカルシウムが、抗生物質の成分と結合して吸収率が悪くなる
- 薬の服用時はもちろん、薬を服用してから2時間程度は牛乳の摂取を控える
抗生物質を飲み忘れたときは?
- 抗生物質を服用し忘れた場合、思い出したときに1回分を服用する
- できるだけ1日3回のペースを守ってもらう
- 一度に2回分の薬を服用してはならない(薬の成分が強くなって思わぬ副作用が出る恐れがあるため)
- 次に服用するときは、前に服用してから最低4時間は間隔をあける
- 空腹のときは、おやつ(クッキー、ビスケットなど)を少し食べてから服用する
- 持病がある方は必ず医師に相談する
まとめ:抗生物質は指示通りに、水か白湯で服用してもらいましょう
- 抗生物質は、指示されたとおりに服用してもらう
- 水もしくは白湯を用意する
- 飲み忘れた場合の2つのポイント(気づいた時に服用する、次の服用は4時間以上あける)を守ってもらう
- 「忘れた分も」と、一度に2回分の薬を服用しないよう伝える
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
抗生物質は、指示された回数・期間で飲みきることが大変重要な薬です。中途半端に内服したり、自己判断で服用をやめたりすると、単にぶり返すリスクが高くなるだけでなく、次に抗生物質を再開した場合に効かなくなっている恐れがあるためです。
また、肝臓や腎臓に病気がある方の場合、量を減らして内服することがあります。このとき、自己判断で適当な量を内服してしまうと、肝臓や腎臓にさらなるダメージが起きてしまうことがあります。繰り返しになりますが、決められた通り、決められた量を決められた期間飲み切りましょう。困った時は電話でも構わないので、医師・薬剤師に相談するよう伝えることも重要な配慮です。