スイッチOTC医薬品の特徴と、使用上の注意点について

スイッチOTC医薬品とは、もともと医師の処方箋がないと入手できなかった薬のことです。薬局やドラッグストアでも購入できるようになったため、医療費の高騰を抑えたり、医師の負担を軽減することなどが期待されています。この記事では、スイッチOTC医薬品を紹介するとともに、使用する際の注意点を紹介します。

スイッチOTC医薬品とは

  • スイッチOTC医薬品の「OTC」とは、英語の over-the-counter(カウンター越し)の略語。医師の診断がなくとも、お店のカウンター越しに購入できる一般用医薬品のこと
  • これまで「医薬品」や「大衆薬」と呼ばれていたが、最近では国際的表現の「OTC医薬品」という呼び方が使われている
  • スイッチOTC医薬品は、医療用医薬品に使われていた成分が、有効性・安全性に問題がないと判断されてOTC医薬品に切り替わった薬のこと

スイッチOTC医薬品が生まれた背景として、セルフメディケーション(自己管理で健康を保つこと)を推進する国の方針があります。

医療費の高騰や医師不足による問題を解決するための第一歩として、軽度の体調不良は市販の医薬品を有効活用して改善することが推進されています。このため、国は医師の処方箋がなくても入手できる医薬品を増やすべく、「長期間における使用実績がある」「副作用が比較的少なく、他の薬剤との相互作用でも重篤な副作用がない」「国民からの需要があること」といった基準を満たしたものをスイッチOTC医薬品として入手しやすくしています。

ただし、スイッチOTC医薬品になったものでも、リスクが高いものは「要指導医薬品」として、薬剤師から対面で指導を受けたり、文書での情報提供を受けたりしないと購入できないものもあります。それ以外の医薬品は、一般用医薬品に分類されます。

スイッチOTC医薬品になった薬

  • スイッチOTC医薬品として認可されている医薬品は86成分、1744品目(2019年7月30日時点)
  • 最新情報は厚生労働省のWEBサイトで確認できる

スイッチOTC医薬品の一例

  • ガスター®︎10(胃酸分泌抑制薬)
  • ロキソニン®︎S(解熱鎮痛薬)
  • トランシーノ®︎薬用ホワイトニングエッセンスなどの内服薬(肝斑治療薬)
  • ボルタレン®︎AC/ローション/テープ(消炎鎮痛薬)
  • アラセナ®︎S(抗ウイルス薬)

スイッチOTC医薬品を利用する際の注意点は?

  • スイッチOTC医薬品の成分は「医療用医薬品」と同じもの。そのため、薬剤師は薬の副作用やほかの薬との飲み合わせの注意点などを丁寧に伝える必要がある
  • 現時点でほかに服用している薬がないか、持病やアレルギーなどがないかも忘れずに尋ねて、思わぬ副作用を招かないよう配慮が大切
  • 2~3日飲んでも症状が改善しない場合は医療機関を受診するよう促す

まとめ:スイッチOTC医薬品を利用する方には丁寧な説明とともに、服用中の薬の有無について確認を

  • スイッチOTC医薬品は、かつて処方箋がないと入手できなかった医療用医薬品が薬局やドラッグストアでも購入できるように転換された薬のこと
  • 病院に行かなくても症状を緩和できるように導入されたものですが、副作用や飲み合わせに気をつけたほうがよいものもある
  • 購入時に丁寧に説明するとともに、用法・用量を守って正しく利用するよう伝えることが大切

医師から薬剤師の方々へコメント

前田 裕斗 先生
国立成育医療研究センター フェロー
前田 裕斗 先生

OTC医薬品として指定されているものは、豊富な使用例がある薬が多いです。多くの人が買い求める医薬品のため、気軽に利用できる反面、本来病院で処方される薬剤であることを知らずに買い求める人も多く、思わぬ副作用や相互作用を引き起こす可能性がゼロではありません。購入する方には、一言説明を添えるようにしましょう。特に、ロキソニン®には気をつけてください。