善玉コレステロールを増やすのにおすすめの運動は?

運動するメリットのひとつに「コレステロール値の改善」があります。この記事では、運動とコレステロールの関係について解説します。

コレステロールの働き

    • コレステロールには、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)がある
    • LDLコレステロールは、肝臓で合成されたコレステロールを全身に運ぶ働きがある

HDLコレステロールは、全身の余分なコレステロールを肝臓に運ぶ働きがある

LDLコレステロールが多いと血管壁にコレステロールが溜まりやすくなり、動脈硬化を促進させます。一方、HDLコレステロール量が多いと血管壁にある余分なコレステロールを除去してくれるため、動脈硬化の防止に役立ちます。そのため、生活習慣病を予防するには、LDLコレステロール値を下げ、HDLコレステロール値を上げることが必要です。

運動はHDLコレステロールを増やす

  • 生活習慣病を予防するには、HDLコレステロールを増やすことが重要
  • 方法として、運動のほかに食生活の改善や禁煙もあるが、なかでも運動が効果的と言われている

過去の研究によると、1日の歩数が多い人はHDLコレステロールが多い傾向がみられることや、中程度の有酸素運動を継続することで、HDLコレステロールが優位に増加することが明らかになっています。

運動でLDLコレステロールは減る?

  • 運動でLDLコレステロールを減らす効果はあまりみられない

海外に「有酸素運動によって、LDLコレステロールが低下する」という研究結果がります。ただ、こちらはLDLコレステロール値が高い場合で、しかもその効果はさほど大きくないと言われています。

HDLコレステロールを上げるのはどんな運動?

  • HDLコレステロールを増やすのに役立つ運動は有酸素運動
  • 主な有酸素運動として、ウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、エアロバイク、水泳、水中ウォーキング、エアロビクス、ラジオ体操、ノルディックウォーキングなどがある
  • 基本的に、どの運動を選んだかで効果に違いはみられない
  • 現在の健康状態や生活環境をもとに、運動しやすい場所で好きな有酸素運動に取り組むのがおすすめ

運動でHDLコレステロールを改善する場合、時間・強度・頻度などをしっかりと守る必要があります。

時間
1回あたり30~60分程度(なるべく長い方がよい)
強度
中等度の強さ(「ややきつい」と感じるくらい)
頻度
1週間に3日以上(なるべく多い方が良い)

ただし、上記の運動の時間・強度・頻度はあくまでも目安であり、体調に合わせて取り組むことが大切です。特に、今まで運動をしていなかった方が急に強めの運動をすると、心臓や関節などに負担がかかる可能性もあります。最初は軽めにして体を慣らしていき、徐々に時間を長くしたり、強度を高めたりするのがおすすめです。

代表的な有酸素運動、ウォーキングのコツ

姿勢
  • あごを引いて、視線は5~6mぐらい先を見る
  • 肩の力は抜き、胸を張る
  • お腹が出ないように注意する
歩き方
  • できるだけ歩幅を大きく、リズムよく歩く
  • 腕を大きく振り、膝から下も大きく動かす
歩数
  • 1日8,000~10,000歩が目安
  • 歩数計・万歩計などを身につけておくと歩数管理しやすい
時間帯
  • 体温が下がり始める夕方がおすすめ
  • 反対に、起床後1時間以内と就寝前1時間以内は控える
服装
  • 動きやすいもの、吸湿性や乾燥性、通気性が優れているものを選ぶ
  • 夏は熱中症対策を、冬は防寒対策をする

このようなポイントに気をつけることで、より安全・正確に有酸素運動の効果を得られます。目的意識を持って、しっかり歩きましょう。

まとめ:運動を長続きさせるには「楽しむ」ことも大事

  • 運動にはコレステロール値の改善をはじめ、健康上のさまざまなメリットがある
  • ただし、継続できなければ運動のメリットを享受できない
  • 無理なく続けられるよう、自分に合った運動を選ぶことが大切

医師から薬剤師の方々へコメント

山本 康博 先生
東京大学医学部卒 呼吸器内科医
山本 康博 先生

さまざまな研究で、運動の健康効果は証明されています。研究で用いられている運動の種類として、ウエイトトレーニングやランニングなどの有酸素運動、ヨガやピラティスなどがあります。メディアでも日によって全く異なる運動が推奨されており、みなさんは一体どの種類の運動をするのがよいのだろうと悩んでしまうかもしれません。

しかし、どのような運動であっても健康効果があることがわかっています。本記事にあるように、習慣化することこそが最も重要で、そのためにはどのような運動でもいいので楽しんで継続できるようなものを選ぶことが大切です。患者さんがそのような悩みを抱えている場合は、気楽に楽しめるものをやるとよいですよ、とお伝えするのがいいと思います。