食欲不振の原因としてまず思い浮かぶのが内臓疾患やストレスだと思いますが、服用中の薬の副作用によって食欲不振が起こることもあると言われています。この記事では、食欲不振が起こる原因を紹介するとともに、対処法を解説します。
一般的な食欲不振の原因
食欲不振の原因を大きくわけると、「疾患が原因の場合」と「それ以外の場合」に分類できます。そのうち、疾患が原因の食欲不振は、さらに「肉体的な原因」と「精神的な原因」に分けられます。
疾患が原因の場合
- 肉体的な原因
-
- がん
- 慢性胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 心不全
- 慢性腎臓病
- 甲状腺機能低下症
- 感染症(風邪、インフルエンザなど)
- 精神的な原因
-
- うつ病
- 認知症
- 神経性食欲不振症
疾患以外の原因の場合
- 加齢
- ストレス
- 不規則な生活習慣
- 飲酒
- 運動不足
- 睡眠不足
薬の副作用による食欲不振
食欲不振を招く薬の一例
- 痛み止め
- 強心剤
- 抗がん剤
- 向精神薬
- 抗生物質
- 漢方薬
もともと胃腸の弱い方の場合、漢方薬でも副作用が現れやすいと言われています。
薬で食欲不振になったときの対処法
- 服用中の薬が合っていない可能性があるため、まずは医師・薬剤師に相談してもらう
ただし、症状が軽いときは、我慢して薬を服用し続けてもらうこともあります。
食欲不振時の食事で気をつけること
- 刺激物を控え、消化の良い柔らかめの食品を摂る
- 根菜類など、食物繊維が多い野菜は控える
- 脂身の多い肉や揚げ物などは控える
- 根菜類や肉類などを食べたいときは下ごしらえを工夫する
- 水分をしっかり摂る
食欲不振のときは消化・吸収機能が弱っている可能性が高いため、胃腸に負担をかけない食事に変えることが大切です。
まとめ:食欲不振は薬の副作用で起こることも。消化によい食事で症状を和らげましょう
- 薬の副作用で食欲不振を招くこともある
- 刺激物や脂身が多い肉類や揚げ物は控え、消化によい食事を摂ってもらう
- 根菜類や肉類を食べるときは、下ごしらえを丁寧に行うと胃への負担が軽減する
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
薬が体調不良や食欲不振の原因となっていることはとても多いです。特に、ポリファーマーシーの方は死亡率が高まるという報告があり、予期せぬ薬剤間の相互作用などによって食欲不振や臓器傷害、認知機能障害などを起こす可能性があります。
薬を服用している患者さんの訴えを聞いたら、常に薬剤性の食欲不振を考慮する必要があります。したがって、処方時に患者さんにその旨伝えておくことも、副作用による食欲不振を予防するうえでとても大切です。