「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」の違いは?

私たちの体を構成する重要な栄養素のひとつにアミノ酸があります。この記事では、必須アミノ酸について、その種類やそれぞれの特徴、効果的な摂り方を解説します。

必須アミノ酸とは

  • アミノ酸は生命の源とされ、自然界には500種類も存在すると言われる有機化合物
  • このうち、人間の体をつくり、生命を維持するのに必要なアミノ酸は20種類
  • 大きく必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分類される

必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違いは?

必須アミノ酸
  • 人体構成に必要なアミノ酸のうち、体内で合成できず、食事でしか摂取できないもの
  • 主に肉や魚などのタンパク質に多く含まれる
非必須アミノ酸
  • 人体構成に必要なアミノ酸のうち、体内で合成できるもの
  • 食事からも摂取できるため、体内合成での不足分を食事で補うことが推奨される

必須アミノ酸の種類と、それぞれの特徴

L-イソロイシン

  • ロイシン、バリンとともに、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれる
  • 成長促進や血管拡張、肝機能と筋肉強化、心身の疲労回復などの効果が期待できる
  • 鶏肉や子牛肉など肉類のほか、チーズや牛乳にも多く含まれている

L-スレオニン

  • 成長促進や新陳代謝の促進、肝機能の改善・強化などの効果が期待できる
  • 卵、ゼラチン、スキムミルクなど、動物性タンパク質に多く含まれている

L-トリプトファン

  • ナイアシンの原料や、セロトニンを作り出すのに欠かせない
  • 安眠効果や精神安定作用をもたらす
  • レバーやチーズ、牛乳、バナナ、大豆、高野豆腐、きな粉、パイナップル、緑黄色野菜などに多く含まれる

L-バリン

  • ロイシン、イソロイシンと並ぶBCAA
  • タンパク質の合成や肝機能の向上、血液中の窒素バランスの調整に役立つ
  • ほかのBCAAが不足すると働きが弱まる
  • 子牛肉やレバー、鶏肉、魚、ドライミルク、チーズ、ゴマ、落花生などに含まれる

L-ヒスチジン

  • 神経機能のサポートや成長促進、慢性関節炎の緩和、ストレスの軽減作用がある
  • 子供は体内で合成できないため、必須アミノ酸に分類されている
  • 子牛肉や鶏肉、ハム、イワシ、カツオ、マグロ、チーズ、ドライミルクに含まれる

L-フェニルアラニン

  • 神経伝達物質として働き、精神安定や食欲抑制、鎮痛効果をもたらす
  • 人工甘味料の一種「アスパルテーム」の原料でもある
  • 肉類全般や魚介類のほか、大豆、あずき、高野豆腐、納豆にも多く含まれている

L-メチオニン

  • ヒスタミンの血中濃度を下げてアレルギー症状を軽減する
  • 肝機能をサポートする
  • 抑うつ効果がある
  • 動脈硬化や抜け毛を予防する
  • 牛肉、羊肉、レバー、牛乳、ホウレン草、にんにく、トウモロコシなどに多く含まれる

L-リジン

  • 肝機能強化や免疫力向上、脳卒中の発症抑制、カルシウムの吸収促進、ホルモンや酵素の生成を助ける
  • サワラ、サバなどの魚類をはじめ動物性タンパク質や、オートミール、大豆、高野豆腐、納豆といった一部の植物性タンパク質にも含まれる

L-ロイシン

  • バリンやイソロイシンと並ぶBCAAの一種
  • タンパク質の合成や肝機能向上、筋肉強化の作用がある
  • 牛肉やレバー、ハム、牛乳、チーズ、とうもろこし、アジ、ホウレン草など幅広い食品に含まれる

必須アミノ酸の効果的な摂り方は?

  • 特定の種類だけでなく、さまざまな食品を食べて複数のアミノ酸を摂取する
  • ビタミンB、C、Eと一緒に摂取すると、体内に入ってからの代謝スピードが上がる
  • 運動する30分前に摂取すると、運動能力向上につながる
  • スポーツの直後に摂取すると、筋肉の修復や増強、筋肉痛の防止になる
  • 就寝前に摂取すると、疲労回復効果を高める

ただし、アミノ酸を過剰に摂りすぎると脳内のアミノ酸バランスが崩れたり、腎臓に大きな負荷をかける原因になります。継続的に複数のアミノ酸を少しずつ摂れるよう意識して食事を摂りましょう。

まとめ:必須アミノ酸は9種類。食事でいろいろな種類を摂取しましょう

  • 私たちの体の構成に必要な20種類のアミノ酸のうち、9種類が人間の体内で合成できない必須アミノ酸に分類されている
  • 必須アミノ酸は体内で合成できないため、基本的には毎日の食事から補う必要がある
  • 特定の種類ではなく、複数種類をバランスよく摂る食生活を心がける

医師から薬剤師の方々へコメント

山本 康博 先生
東京大学医学部卒 呼吸器内科医
山本 康博 先生

長い進化の過程で、人類はいくつかのアミノ酸の合成をやめました。アミノ酸を合成するシステムを維持するのは大変なため、食事から摂取することで容易に取り入れられるものは外注化することで効率化したわけです。そんなわけで、必須アミノ酸だけが重要なわけではなく、合成するシステムをいまだに保持している非必須アミノ酸ももちろん重要です。偏りなく摂取するように心がけましょう。

個々のアミノ酸にはそれぞれ上記のような効果が期待されますが、あくまで当然ながら食生活が崩れて色々なアミノ酸や栄養素の摂取が足りていないところに必須アミノ酸をひとつだけ補っても本質的な解決になりません。サプリメントでの補充も良いですが、それよりもバランスよい食生活を心がけるのが土台として大切です。

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