活性型ビタミンD3製剤の働きは?

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

骨粗鬆症は、骨を破壊・再構築するサイクルが乱れて発症すると考えられています。このため、近年では、このサイクルを薬で調整する投薬治療も行われています。この記事では、骨粗鬆症治療に使われる薬のうち、活性型ビタミンD3製剤の作用や特徴、種類や服用の注意点などを解説します。

活性型ビタミンD3製剤とは

  • 活性型ビタミンD3製剤は、定期的に骨を破壊する細胞の働きを抑えるとともに、小腸からのカルシウム吸収を促進して骨粗鬆症の改善を目指す薬
  • 体内で活性化したビタミンD3とほぼ同じ作用を持つ
  • 小腸からのカルシウム吸収率を高め、骨の修復・形成を促す

主な活性型ビタミンD3製剤は?

エルデカルシトール(商品名:エディロール®︎)
  • カルシウム吸収率を高めるとともに、骨の代謝自体を高めて骨密度を高める
  • 剤形はカプセルがメイン
アルファカルシドール(商品名:アルファロール®︎、ワンアルファ®︎)
  • 国内で最初に認可された薬
  • カプセル以外にも内用液や散剤がある
カルシトリオール(商品名:ロカルトロール®︎)
  • 骨粗鬆症のほか、慢性腎不全や副甲状腺機能低下症などによる低カルシウム血症の治療にも使われることが多い
  • 剤形はカプセルがメイン
ファレカルシトリオール(商品名:フルスタン®︎、ホーネル®︎)
  • 二次性副甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能低下症などに使われることが多い
  • 剤形は錠剤がメイン

どの薬を使うかは、医師が患者の状態や体質、飲み合わせる他の薬なども考慮した上で決まります。

活性型ビタミンD3製剤の副作用や、服用時の注意点は?

比較的発症しやすい副作用
  • 消化器症状(吐き気、胃部不快感、食欲不振、下痢など)
  • 体重減少
まれな副作用
  • 高カルシウム血症、高カルシウム尿症
  • 腎機能障害(尿量の減少、発疹、むくみなどを伴う)
  • 腎結石、尿路結石

比較的軽い副作用症状であれば、医師に報告・相談した上でしばらく様子をみることになると思いますが、頻繁に発症したり、重篤な副作用がみられたら、医師に相談するのが望ましいです。

まとめ:活性型ビタミンD3製剤は、カルシウムの吸収効率を高める薬です

  • 活性型ビタミンD3製剤は、小腸からのカルシウムの吸収を助け、骨の修復・形成を助ける作用を持つ
  • 代表的なものとして、エディロール®︎、アルファロール®︎、ロカルトロール®︎、フルスタン®︎などがある
  • 過剰摂取すると消化器症状や腎機能障害などの副作用を引き起こす恐れもあるため、医師・薬剤師の指示に従って服用する

医師から薬剤師の方々へコメント

前田 裕斗 先生
前田 裕斗 先生

活性型ビタミンD3製剤は、カルシウム欠乏の治療に適した薬剤です。比較的使いやすい薬剤ですが、高齢者ではカルシウム製剤や骨粗鬆症の薬と併用することで高カルシウム血症となることも多く、注意が必要です。よくある消化器症状だけでなく、高カルシウム血症の症状がみられないかも確認するとよいでしょう。