花粉症により肌が荒れてしまったとき、メイクをしない方がいいのでしょうか。花粉症で肌が荒れる原因や予防法とともに解説します。
花粉症で肌荒れが起こるの?
- 花粉症の症状として、肌荒れ・肌の赤み・かゆみが起こることがある
- くしゃみや鼻水といった花粉症に特有の症状がなくても、春先に肌がかゆくなる方は、花粉による皮膚の炎症(花粉皮膚炎)の可能性がある
敏感肌の人が発症しやすい花粉皮膚炎とは
- 花粉により起こる肌荒れは「花粉皮膚炎」と呼ばれる
- 主にスギ花粉の飛散量のピーク(12~4月)に発症する方が多い
- 乾燥肌の方は、肌表面のキメの乱れや角層の乱れによって、外部からの刺激を受けやすい
症状
- 肌の乾燥、赤み、チリチリとしたかゆみなどが、上まぶた、頬骨、顎、首などの肌の露出が多い部分に起こることが多い
- 重症の場合は全身に症状が広がることもある
発症の仕方
- 皮膚に直接花粉が触れて発症する場合と、目や鼻から花粉が侵入して発症する場合の2種類ある
- 特に顔など、服から露出している部分は、花粉が入り込みやすいため症状が悪化しやすい
肌荒れ時のスキンケアのポイントは?
- 帰宅後は手洗いやうがいとともに、洗顔もして花粉を洗い流す。ただし、肌をこすったり、頻繁に触ったりしない
- 炎症や乾燥が強い場合は洗顔料は使わずに、ぬるま湯だけで洗う
- 洗顔後は肌のバリア機能を高めるために、化粧水や乳液、クリームなどでしっかり保湿する
- ピーリングやゴマージュは肌のバリア機能を傷つけてしまうため控える
- 乳液やクリームは、のびのよいものを選ぶと肌に負担をかけにくい
花粉症の時期だけ低刺激の敏感肌用化粧品に変えるのもおすすめです。普段、肌トラブルがない方も、春先は乾燥の激しい冬を乗り超えたばかりで、肌がいつもより敏感になっていることが多いです。
肌荒れ時のメイクは?
- メイクは薄づきタイプに変更する
- 肌への負担が少ない、ミネラルファンデーションやパウダーファンデーションを使用する
- ブラシなどで強くこすらない
- 目のまわりの皮膚は薄いため、強い刺激を与えない
花粉による肌荒れを予防するには?
マスク
- 隙間ができないように、顔の形にフィットするものを選ぶ
- マスクの上部にワイヤーが入っているタイプは、鼻筋に沿って折り曲げて花粉の侵入を防ぐ
眼鏡・サングラス
- 目からの花粉の侵入を防ぐため、外出時に眼鏡やサングラスを着用する
- 通常の眼鏡でもある程度花粉を防げるが、目尻まで覆われてるタイプのものや、目の周囲のうるおいを保つ機能がある眼鏡など、症状に合ったものを選ぶ
まとめ:肌荒れを防ぐため、肌のバリア機能を高めましょう
- 花粉皮膚炎は、皮膚に直接花粉が触れたり、目や鼻から花粉が侵入することで起こる
- 肌のバリア機能が弱いと花粉などのアレルゲンが侵入しやすくなるため、特に乾燥肌やアトピーの方には肌のケアをしっかり行ってもらう
- 外出時はマスクや眼鏡の装着を欠かさない
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
花粉皮膚炎とはあまり聞き慣れない病名で、本当にあるかどうか議論がありますが、確かに花粉症の季節に肌の調子が悪くなる方はいるようです。多くの場合、実際には花粉症によって眼がかゆくなるためかいてしまったり、ちょうど乾燥する季節なので肌が乾燥したりで皮膚にストレスがかかることが原因であるという説もあります。いずれにせよ、アトピー性皮膚炎と同じく、皮膚は一度荒れてしまうとそれを契機に増悪してしまいますから、しっかり保湿をしてダメージを最小限に防ぐのが大切です。