骨髄移植の後などに使われる「免疫抑制薬」の働きは?

免疫抑制薬とは、骨髄移植の後などに使用されることのある薬です。この記事では、免疫抑制薬のはたらきや副作用などをご紹介します。

免疫抑制薬とは

  • 体内の免疫反応の際、細胞の働きや増殖を抑えることで免疫抑制作用をもたらす薬
  • リンパ球に作用し、T細胞からサイトカインの生成を抑えたり、リンパ球の増殖に必要なDNAなどの合成を抑えて免疫抑制作用をもたらす
  • 移植した臓器に対する拒絶反応を抑制する効果も期待できる

主な免疫抑制薬

シクロフォスファミド(商品名:エンドキサン®)
主に血管炎や全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)などに使用される
シクロスポリン(商品名:ネオーラル®)
主に臓器移植による急性拒絶反応に使用される。また、ステロイド抵抗性の難治性ネフローゼ症候群、頻回再発型ネフローゼ症候群などにも使用される
アザチオプリン(商品名:アザニン®)
主に全身性エリテマトーデスなどの膠原病や全身性血管炎などに使用される
ミコフェノール酸モフェチル(商品名:セルセプト®)
主に全身性エリテマトーデス、難治性のネフローゼ症候群などに使用される
タクロリムス(商品名:プログラフ®)
主にステロイド治療ではコントロールが難しいループス腎炎などに使用される
ミゾリビン(商品名:ブレディニン®)
主に関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどで使用される

免疫抑制薬の副作用は?

  • ウイルス性、真菌性、細菌性などの感染症がみられたり、憎悪する恐れがある
  • 発疹やむくみ、尿量減少、一時的な尿量過多、出血傾向、手足の点状出血などがみられたら、すぐに医師・薬剤師へ相談するよう伝える

まとめ:免疫抑制薬は、免疫反応での細胞のはたらきや増殖などを抑制する

  • 免疫抑制薬は細胞の増殖などを抑え、全身性エリテマトーデスや臓器移植後の拒絶反応/などに効果が期待できる
  • ただし、免疫抑制効果があるため、感染症にかかったり、尿量減少や出血といった副作用があらわれる可能性もある

医師から薬剤師の方々へコメント

山本 康博 先生
東京大学医学部卒 呼吸器内科医
山本 康博 先生

免疫抑制薬やステロイド薬は自己免疫疾患や骨髄移植後などで使用されますが、他の薬剤と比較して圧倒的に注意すべき薬です。内服忘れにより自己免疫疾患の増悪や治療失敗が起こり、場合によっては命の危険が及ぶこともあります。また、免疫抑制薬を内服している患者さんは、合併症や副作用の予防のためにポリファーマシーになりがちです。内服薬が多くなってくると自己管理も大変になってくるため、飲み忘れなどのトラブルのリスクが高まります。「多数の内服薬の中でも特に重要な薬です」など、一言添えていただけるとよいと思います。