風邪の症状を和らげる薬にはいろいろな種類があります。この記事では、総合かぜ薬の「PL配合錠」について、その効果や副作用、服用時の注意点などを紹介します。
PL配合錠とは?
- PL配合錠とは、病院で使用されている非ピリン系の総合風邪薬
- 鼻水、鼻づまり、喉の痛み、発熱など風邪全般の症状を緩和する
- 風邪の原因となる細菌やウイルスに直接働きかける薬ではない
PL配合錠の有効成分
- サリチルアミド
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- サリチル酸系の解熱鎮痛成分
- 腫れ、痛み、発熱を和らげる
- アセトアミノフェン
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- 解熱鎮痛成分
- 安全性が高く、穏やかに作用する
- メチレンジサリチル酸プロメタジン
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- アレルギー症状を引き起こす体内物質ヒスタミンの働きを抑える成分
- 鼻水、くしゃみに効果的
- カフェイン
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- 頭がぼーっとする症状を和らげる成分
- 鎮痛作用を増強する働きがある
PL配合錠の副作用は?
- 主な副作用として、眠気、口の乾燥、吐き気、発疹、喘息発作がある
- 特にアレルギー体質の方や喘息の方は副作用に注意
重い副作用
- アナフィラキシーショック
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- 顔面蒼白
- 冷や汗
- 手足の冷え
- じんましん
- 息苦しさ
- 発疹
- 全身発赤
- めまい など
- 皮膚の異常
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- 発疹
- 発赤
- 発熱
- 水ぶくれ
- 熱感
- 痛み
- かゆみ など
- 粘膜の異常
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- 口内のただれ
- 喉の痛み
- 目の充血 など
- 血液の異常
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- 皮下出血
- 鼻血
- 歯肉の出血 など
- 腎臓の症状
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- 尿が少ない、もしくは出ない
- 尿が濁る
- 尿が泡立つ
- 血尿
- むくみ
- 側腹部の痛み
- 腰痛 など
- 肝臓の症状
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- 黄疸
- 尿が茶褐色
- 食欲不振
- だるさ
- 吐き気 など
- 喘息発作の誘発
- 間質性肺炎
- 横紋筋融解症
- 緑内障
PL配合錠を服用する場合の注意点は?
- 飲み合わせに気を付け、用法・用量を正しく守ってもらう
- 既往歴や治療中の病気、体の状態など、場合によっては注意が必要なため、適宜医師・薬剤師へ相談してもらう
原則として服用できない場合
- アスピリン喘息(鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことがある)の方
- 過去にPL配合錠を使用してかゆみや発疹などアレルギー症状が出たことがある
- 消化性潰瘍を発症したことがある
- インフルエンザまたは水痘を発症している子供
- 2歳未満の乳幼児
病状や体調によっては服用できない場合
- 緑内障
- 前立腺肥大症
- 肝臓病
- 腎臓病
- 血液の病気
- 喘息
- 栄養状態が悪い方
- 高齢者
- 妊娠中または授乳中の女性
併用禁忌の薬
- アセトアミノフェン配合薬の市販の風邪薬、解熱鎮痛薬
- どちらもPL配合錠と成分が重複しているため、併用しないよう伝える
相互作用を起こす可能性がある薬
- ワルファリン(抗凝固薬)、糖尿病の治療薬、降圧薬、一部の安定剤や抗うつ薬
- 服用中していないかどうかを必ず確認する
そのほか、服用中に飲酒をすると眠気やめまいが発生しやすくなります。多量のアルコールによって、胃や肝臓の副作用を強めてしまうためです。
まとめ:PL配合錠は、効き目が穏やかな総合かぜ薬です
- PL配合錠はかぜ薬の一種で、副作用が比較的少ない
- ただし、長期にわたって服用を続けると副作用発生のリスクが高くなるため、用法・用量を守ってもらう
- 持病をお持ちの方、服用中の薬がある方は飲み合わせに注意する
- 飲酒の習慣がある人は、服用中はお酒を控える
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
PL顆粒は代表的な風邪薬で、効き目がマイルドで一方副作用も少ないことから、水のような薬と思われていることが多いですが、実はそれなりに注意が必要な薬です。
若年者に処方する際には特段の注意をすることは不要と思いますが、高齢者では抗ヒスタミン作用によってせん妄や転倒リスクに繋がることがあります。
PL顆粒は複数の薬剤の合剤であり、近年では多くの薬剤の使用(ポリファーマシー)によって死亡率が上がることが示されていますので、ハイリスクである方に出すのは控えた方が良いでしょう。