病気になったとき、薬を飲めば良くなるとわかっていても「眠くなるから飲みたくない」と敬遠してしまう人は多いかもしれません。この記事では、薬を飲むと眠くなる原因について、眠くなる薬の具体的な種類や、眠くなる薬を服用するときに気を付けるべきポイントとともに解説します。
飲むと眠くなる薬の種類は?
- 風邪薬
- 咳止め
- 抗アレルギー薬
- 抗不安薬
- 抗てんかん薬
- 吐き気止め
- 抗不整脈薬
薬の副作用で眠くなる原因は?
風邪薬、抗アレルギー薬
- 症状を引き起こすヒスタミンの働きを抑え、くしゃみや鼻水、鼻詰まりなどの症状を抑える
- ヒスタミンは脳内で眠気を抑えたり、覚醒を促す役割を担っているため、薬でヒスタミンの働きを抑えてしまうと、症状が軽減するのと引き換えに眠気が起こりやすくなる
抗不安薬
- 脳の働きを抑えることで脳を休ませ、精神の緊張や不安、うつの症状を軽減する
眠気を催す薬を処方する際のポイント
- 基本的には医師・薬剤師に指示された用法・用量を守ってもらう
- 薬の飲み合わせで強い眠気を引き起こすこともあるため、普段から服用している薬がある方への服薬指導は慎重に行う
- 仕事で車を運転するなど、眠気を引き起こす薬を避けたい理由がないかどうかも確認する
まとめ:症状を抑える成分の中に、眠気を引き起こすものがあります
- 風邪薬や抗アレルギー薬、抗不安薬など一部の薬には、服用で症状を軽減してくれる代わりに眠気をもよおすものがある
- 眠気をもよおすのは、風邪やアレルギー、不安症状を和らげる作用が脳の働きを抑えて覚醒を妨げるため
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
抗ヒスタミン作用のある薬剤は眠気が出やすいです。花粉症の薬に眠くなる作用があることは広く知られているため、患者さんもある程度注意すると思いますが、PL顆粒や市販の風邪薬などの一般的な風邪薬や、咳止めのメジコンにも眠くなる作用があることはあまり知られていません。したがって、仕事をされている方については運送業など、運転する仕事をしていないかどうかを聞き取る必要があります。
また、高齢者の場合、抗ヒスタミン作用のある薬剤はせん妄や転倒のリスクを上げることが知られており、場合によってはリスクがメリットを上回る場合があります。これらのリスクがある場合は、抗ヒスタミン作用を持たない系統の薬剤への変更が望ましいでしょう。