ジェネリック医薬品のメリット・デメリット

ジェネリック医薬品を勧めるとき、メリット・デメリットをきちんと伝えると患者さんの信頼を得ることができます。この記事では、ジェネリック医薬品のメリット・デメリットを解説します。

ジェネリック医薬品とは

  • 先発医薬品の特許・独占販売期間終了後に製造された医薬品
  • 後発医薬品と呼ばれることもある
  • 有効成分や製法は先発医薬品と同じ
  • 開発から承認までの期間が短いのが特徴

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じく、法律に基づく基準で製造され、販売前には先発医薬品と同等の品質検査をクリアしています。さらに、元になった先発医薬品との同等性を確認する試験も実施されているため、ジェネリック医薬品の効能と安全性は、先発医薬品とほぼ同じと確認されています。

ジェネリック医薬品の2つのメリット

1. 先発医薬品をもとに工夫・改良されている

ジェネリック医薬品は、開発時に先発医薬品が独占販売されていた間に判明した問題点や改善点を考慮しており、以下のような工夫を施すことがあります。

工夫の一例
  • 飲みにくい大きな錠剤を小さくする
  • 有効成分の含量や、剤形の大きさを増やす
  • 剤形が似ているほかの薬と間違えないよう、色や形を変える
  • 錠剤を飲みこめない患者のために、粉末や液体、ゼリー状の薬を作る
  • においや味を改良する。もしくは抑える

約20年にわたる独占販売期間中にも、製薬技術は確実に進歩しています。先発医薬品の有効成分はそのままに、患者にとってより飲みやすい薬になっている可能性がある点は、ジェネリック医薬品の大きなメリットといえます。

2. 先発医薬品より安価で購入できる

  • 開発にかかる時間や費用を抑えられるため、先発医薬品よりも安価で販売できる

有効成分と安全性は先発医薬品と変わらないのに、費用を抑えることができるため、ジェネリック医薬品は患者さんにとって魅力的といえます。

ジェネリック医薬品の2つのデメリット

1. 使用感や効果が異なる可能性がある

  • 先発医薬品とまったく同じ使用感のものを作るには、主成分の特許に加え、薬の製造に関わる特許も切れている必要がある
  • 薬の製造に関わる特許が切れていない場合、使用感や効き目、副作用のあらわれ方が異なる可能性がある
  • 場合によっては、予期せぬアレルギー反応が出ることもある

ジェネリック医薬品は、先発医薬品の主成分にかかる2種類の特許(物質特許[薬に含有される新しい物質に対する特許]と用途特許[特定物質の効能に対する特許])が切れると製造できます。

しかし、先発医薬品には、主成分の特許以外にも製法特許(添加物の使用法など、製造方法に与えられる特許)や製剤特許(薬の製剤時の剤形や色などに与えられる特許)などがあります。これらの特許の有効期間は、主成分の特許と異なる場合もあるため、ジェネリック医薬品に切り替えたことで効能・効果が変わったり、思いがけない副作用がみられる恐れがあります。

2. 先発医薬品開発費用が不足する可能性がある

  • 先発医薬品が高価なのは、開発費用を回収した上で新しい薬の開発費用を確保するため
  • ジェネリック医薬品をメインに製造・販売していると、新薬開発費用を捻出しづらくなる可能性がある

世界には、まだ有効な治療薬がなく、新薬の開発が待たれている病気がたくさんあります。ジェネリック医薬品ばかり製造・販売していると、製薬会社に新薬を開発する資金が残らず、新薬の開発が難しくなってしまう可能性も考えられます。

まとめ:メリット・デメリットの両方を知り、ジェネリック医薬品を上手に利用しよう

  • ジェネリック医薬品は、特許と独占販売期間が切れた先発医薬品と同じ有効成分を使っている
  • メリットは、先発医薬品をもとに飲みやすい工夫を施していること、比較的安価なこと
  • デメリットとして有効成分以外の成分が異なるため、アレルギー反応や副作用が起こるリスクや、新薬開発の費用を捻出しづらくなる恐れがある

医師から薬剤師の方々へコメント

山本 康博 先生
東京大学医学部卒 呼吸器内科医
山本 康博 先生

ジェネリック医薬品は患者さんの金銭的負担を軽減するために有効であり、多くの病院ではジェネリックへの切替を積極的に進めています。
ただ、患者さんの中にはジェネリックに切り替わることで薬が効かなくなるんじゃないかとか、副作用が出るのではないかという不安をお感じになる方もいらっしゃいます。実際にこの記事にあるように少ないながらも予期せぬ効果や副作用が出現する可能性あるため、漠然と大丈夫ですよというのではなく、ジェネリックに切り替えるリスクと利益を正しく伝えていただくのがとても大切と思います。

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