お酒は「いけないなぁ…」と思いつつも、なかなかやめられないもののひとつではないでしょうか。肝臓をいたわるために、あるいはダイエットのために、どうすれば禁酒に成功できるでしょうか。
どんな禁酒方法がおすすめ?
ストレスの原因自体を解消する
- 飲酒による快感は一時的なもので、根本的なストレスは解消しない
- ストレスの原因ときちんと向き合って解決策を講じる
新しい趣味を持つ
- 好きなことに打ち込む時間を増やすと、お酒に依存する時間を徐々に減らすことができる
- ストレスの根本原因を解決するのが難しい方や、時間があるとなんとなくお酒を飲んでしまう方におすすめ
運動する
- 毎日適度に体を動かす時間をつくると心身のストレスが軽減され、ほどよく疲れて入眠しやすくなる
- ストレスから飲酒をしてしまう方や、夜寝付けないために飲酒をしてしまう方に特におすすめ
飲み会は断る
- 禁酒を成功させるためにも飲み会は断る
- 先約があることや、体調がよくないことを伝えると断りやすい
- ノンアルコールビールを提供するお店もあるが、同席した人につられて飲んでしまうリスクがある
ノンアルコールビールで禁酒できる?
ダイエット目的の場合
- ノンアルコールビールでの禁酒はおすすめできない
- ノンアルコールビールの中には、味付けのために糖類が含まれているものがあるため、大量に飲むと糖質を摂取しすぎてしまう
- ノンアルコールビールに含まれる添加物(人工甘味料や着色料、酸化防止剤など)を代謝するために体内のビタミンやミネラルが消費されてしまうと、ビタミンやミネラルの不足によって糖質の代謝が低下し、ダイエット効果が減ってしまう可能性もある
アルコール依存症の場合
- アルコール依存症の方もノンアルコールビールでの禁酒は要注意
- ノンアルコールビールにアルコールはほとんど含まれていないが、ビールのような味で飲酒欲求が刺激されるため、お酒に溺れる生活に逆戻りしてしまうリスクがある
まとめ:飲酒の理由によって有効な禁酒方法は異なります
- ストレスやなんとなくの習慣など、お酒を飲む理由によって禁酒のアプローチを変えるのがおすすめ
- どうしても禁酒できない場合は、減酒外来などの専門外来を受診するよう促してみるのも一案
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
禁酒するのに最も効果的な方法は、「買わないこと」と「飲み会に行かないこと」です。
実物を目にしたり、他の人が飲んでいるのを見ると、どうしても飲みたくなってしまうものです。でも、ほんのちょっとでも飲んでしまうと、飲酒生活に逆戻りになってしまいます。このことを踏まえると、ノンアルコールビールは禁酒をサポートするというより、お酒を飲む生活に戻る一歩を自ら用意してしまっていると言えるかもしれません。
とはいえ、お酒のやめ方に絶対の方法はありません。まずは普段飲んでいたアルコール飲料をノンアルコールビールに変え、徐々にノンアルコールビールを飲まない日を増やしていくのも、禁酒を成功させる方法のひとつになると思います。相手の様子や性格、普段のクセなどを聞き取りながら、最適な禁酒方法を提案してみましょう。