美白に効果があると言われるトラネキサム酸、実は止血薬としても使われることがあります。この記事では、トラネキサム酸の働きとともに、止血薬として使う場合の副作用や使用上の注意点を解説します。
トラネキサム酸とは
- 必須アミノ酸のリシンをもとに人工合成されたもの
- フィブリンの分解を抑える働きがある
- 炎症を引き起こす「プラスミン」を抑える抗プラスミン作用もあるため、のどの痛み、腫れ、口内炎などへの効果も期待される
トラネキサム酸は、手術中・術後の異常出血、再生不良性貧血、白血病などによる出血傾向、また鼻出血、腎出血、前立腺手術中・術後の出血などによる異常出血など、さまざまな部位の止血に使われています。
また、プラスミンは炎症やアレルギー症状にも関わるため、トラネキサム酸でプラスミンの働きを弱めることで、口内炎やのどの痛み、蕁麻疹や湿疹などを抑える効果も期待できます。
トラネキサム酸服用時に起こりうる副作用
- 発疹
- 胸やけ
- 嘔吐
- 食欲不振
- 筋肉収縮
まとめ:トラネキサム酸は、止血や炎症の緩和に効果が期待される薬です
- トラネキサム酸の抗プラスミン作用により、止血や口内炎、湿疹といった炎症の緩和に効果を発揮する
- ただし、発疹や胸やけ、筋肉収縮といった副作用が起こる可能性もある
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
トラネキサム酸は、出血後すぐに使用することで主に止血作用をあらわします。注射薬は、外傷や手術で大量出血した場合、出来るだけ早くに投与することが推奨されています。また、内服薬も存在し、たとえば生理や不正出血で量が多い場合などに処方されることもあります。ただ、あくまで対症療法のひとつなので、症状が重い場合は自己判断せず病院へかかるのがよいでしょう。