自分の悩みに合う「ハンドクリーム」の選び方は?

手の乾燥が気になる季節になると、そろそろハンドクリームを用意したいと…と思う方が多くなります。ただ、薬局に行っても種類が多すぎて、どれが自分に合うのかわからず悩んでしまう方もたくさんいます。そこでこの記事では、乾燥肌の方のハンドクリーム選びにどんなアドバイスをするとよいかをご紹介します。

ハンドクリームに含まれる成分の特徴は?

  • ハンドクリームに配合されている成分は「保湿系」「ビタミン系」「尿素系」の3種類に分類できる

保湿系

  • コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸などの保湿成分が配合されている
  • 手に水分や油分を補いつつ、潤いが逃げないよう保護する
  • 手がカサカサになっている、粉をふいているなど、比較的軽度の手荒れのケアにおすすめ

ビタミン系

  • ビタミンAやB、C、Eなどが配合されている
  • ビタミンAには、乾燥によって乱れた皮膚のターンオーバーを修復する働きがある
  • ビタミンが血行を促すため、冷えにも効果がある
  • ひびやあかぎれなど、中程度の手荒れのケアにおすすめ

尿素系

  • 尿素が配合されたハンドクリーム
  • 尿素自体に水分を保持する効果がある
  • ひじやひざ、かかとなど、皮膚が角化している部分を柔らかくする働きがある
  • 手のごわつきが気になる場合のケアにもおすすめ
  • ただし、あかぎれなど傷があるところに使うと、刺激になって症状がひどくなる恐れがある

正しいハンドクリームの塗り方は?

  1. 化粧水で手に水分を補う
  2. 手のひらにハンドクリームを人差し指の第一関節分ぐらい出し、両手で数秒間温める(伸びが良くなり、浸透力も高まる)
  3. 一方の手のひらをもう一方の手の甲に乗せ、クリームを少しずつ伸ばす。終わったら、もう一方の手のひらと手の甲にもクリームを塗る
  4. 指を1本ずつ、指の間や関節、爪のまわりにもすりこむように塗る(指を握って、付け根から指先に向けて引っ張るようにするとよい)

まとめ:手の状態に合ったハンドクリームを選んでもらいましょう

  • ハンドクリームには「保湿系」「ビタミン系」「尿素系」の3種類ある
  • 自分の手の状態に合ったハンドクリームを選んでもらう
  • 塗るときは手のひらや手の甲の大きな部分だけでなく、爪のまわりや関節なども忘れないようにする

医師から薬剤師の方々へコメント

山本 康博 先生
東京大学医学部卒 呼吸器内科医
山本 康博 先生

ハンドクリームの主な目的は皮膚の保湿ですが、最近ではそれに加えてビタミンなど、さまざまな追加成分が配合されています。これらの成分はうまく体に合えばよい効果をもたらしますが、あらゆる薬剤がそうであるように副作用も必ず存在します。ハンドクリームに関して言うと、薬剤に対するアレルギーが起こる場合や、強すぎて逆に肌が荒れてしまう場合(特にビタミンA)などがあります。このため、試してみて合わなかったらすぐに止めることが大切です。また、いきなり高濃度の成分が含まれたクリームを使用するのも避けた方が無難です。

ちなみに、皮膚科では最も副作用を起こすリスクが低いクリームとしてワセリンを処方することが多いです (プロペトなど)。したがって、保湿だけを狙うときはワセリンがお勧めです。