アルコールを飲んだ日は水もしっかり飲んだほうがいいと言われるのは、アルコール摂取によって脱水状態に陥るリスクが高くなるためです。この記事では、アルコールによって脱水状態が起こる原因とともに、水分補給のコツもご紹介します。
アルコールを飲むと脱水状態になりやすい原因
アルコールの利尿作用のため
- お酒を飲んだ以上に、水分が尿として排出される
- 利尿作用が強いビールの場合、1リットルのビールを飲むと1.1リットルの水分が失われる
アルコールの分解に水分が使われるため
- アルコールを摂取すると、アセトアルデヒドが発生する
- アセトアルデヒドは体内で酢酸に分解され、さらに二酸化炭素+水へと分解されて排出される
- 分解に関わる酵素が働くために水分が必要となる
飲酒時は、アルコールの利尿作用や、乳酸や尿酸などの酸性物質の増加によって脱水症状に陥りやすくなります。水分不足になると、アセトアルデヒドを尿で体内に排出しづらくなるため、二日酔いの症状が出やすくなってしまうのです。
二日酔いはなんとしても避けたいときは
- アルコール以外の水分も補給して、脱水症状を避けるとともに、アセトアルデヒドの排出を促す
- ミネラルも失われるため、塩分やカリウムも補給する
塩分やカリウムは、枝豆の塩ゆでやもろきゅうなどに含まれています。お味噌汁を飲むと、水分も一緒に補えます。もし、飲み会後や翌朝にのどの渇きを感じたら、熱中症対策や病気のときに飲む経口補水液を利用するのもおすすめです。
まとめ:アルコールから生まれる有害物質の分解に水分が欠かせません
- アルコールの摂取によって脱水症状が起こるのは、アルコールによる利尿作用と、アルコール分解に水が使われているため
- アルコールを摂取するときは、水分と塩分、カリウムの摂取を心がける
医師から薬剤師の方々へコメント
前田 裕斗 先生
お酒を飲む時は水分を一緒に、というのは多くの方がご存知だと思いますが、それはこの記事にあるように、アルコールによる利尿作用、アルコールの分解に水分が必要とされるからです。脱水症状を避けるために塩分やミネラルが必要となりますが、それ以外にもビタミンなどが不足することも多いです。こうした栄養素の摂取も当日・翌日は心がけましょう。とはいえ、飲みすぎないようにするのがベストな対策であることに変わりません。