吐き気や嘔吐の原因として、最初に思い浮かぶのは消化器系のトラブルや食べすぎ・飲みすぎだと思います。ただ、吐き気や嘔吐はこのような病気や生活習慣によるものだけでなく、ストレスでも起こることがあります。この記事では、ストレスによる吐き気や嘔吐の原因とともに、対処法をご紹介します。
ストレスが吐き気や嘔吐の原因?
- 一般的な吐き気や嘔吐の原因は、胃炎や胃・十二指腸潰瘍といった消化器系のトラブルが多いが、緊張や不安状態が続いてストレスを感じると、嘔吐中枢が刺激されて吐き気や嘔吐をもよおすことがある
- ストレスによって胃酸の分泌量が増えると、体は胃酸を異物と判断し、嘔吐中枢を刺激して吐き出そうとすることもある
ストレスによる胃の不調は、ストレスだけが原因というよりも、不規則な食事や睡眠不足、刺激物やアルコールの摂りすぎなど、胃腸に負担がかかり過ぎているときに起こりやすいです。また、胸やけ、胃やみぞおちなどの痛みを感じることもあります。
ストレスによる吐き気や嘔吐に対処するには
- ストレスによる吐き気や嘔吐は、原因となるストレスを改善しないと症状が治まりにくい
- 薬も有効だが、リラックスすることが一番の解消法となる
対処法
① 深呼吸する
- ゆっくりと呼吸して、心と体を落ち着かせる
- ストレスを感じているときは呼吸が浅くなりやすい
- 目を閉じて深呼吸すると、外部からの刺激が入りにくくなる
② 楽な姿勢をとる
- イスに座ったり、横になったりして体を楽にする
- 横になるときは、体の右側を下にして寝る
- 衣服をゆるめる
③ ミント系の食べ物を摂る
- ミントには胃の中の不快感や吐き気を抑える効果がある
- ミント系のガムやタブレットを常備しておく
④ ツボを刺激する
- 消化器や自律神経と関わりがあるツボ(内関:ないかん)を刺激する
- 内関は、腕の内側にあるツボ。手で握りこぶしを作ると浮き上がる2本の腱と、手のひらの下にある横線から指3本置いたあたりが交差したところにある
ストレスによる吐き気や嘔吐に効く薬は?
- 消化剤や制酸剤などが有効
- 生活習慣も見直し、自律神経のバランスを整えてストレスを和らげることも同時に行う
まとめ:ストレスが吐き気や嘔吐の原因になることもあります
- ストレスで嘔吐中枢が刺激されると、吐き気や嘔吐を引き起こすことがある
- 規則正しい生活や健康的な食生活を送ると、ストレスによる吐き気や嘔吐を抑えられる
- 病気ではないのに吐き気や嘔吐を感じたら、深呼吸などのリラックス方法で対処する
- 必要に応じて、消化剤や制酸剤の服用も検討する
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
多くの方が経験されていると思いますが、心理的なストレスも胃腸の不調に繋がり、消化性潰瘍などの器質的な疾患をもたらすことがあります。このような状態がさらなるストレスを呼びますので、制酸薬など、適切な薬剤での治療も並行して進めることも大切です。