激しい運動をした1〜2日後にやってくる筋肉痛。時間が経てば痛みはなくなりますが、少しでも早く痛みをやわらげたいとき、バファリン®や湿布薬を使うと改善されるのでしょうか。この記事では、筋肉痛に効果がある内服薬や湿布薬をご紹介します。
筋肉痛に効く薬は?
- 筋肉痛は、激しい運動によって破断した筋繊維が回復する過程で生じる
- ビタミンB1が豊富な内服薬を補助的に服用すると、筋繊維の回復が促される
バファリン®は筋肉痛に効果ある?
- 筋肉痛の痛みがひどい場合、バファリン®などの鎮痛薬の服用が有効
- バファリン®には種類があり、配合される鎮痛成分などがそれぞれ異なるが、いずれも筋肉痛や腰痛、関節痛、神経痛に対し優れた鎮痛効果を発揮する
ロキソニンS®やイブ®シリーズも、筋肉痛を緩和する効果があります。ただし、いずれの薬も過度に服用すると回復に必要な生体反応を阻害する恐れがあるため、過度の服用には注意が必要です。
筋肉痛に効果的な湿布薬は?
- 第二世代の鎮痛消炎成分が配合された湿布薬がおすすめ
- 主な第二世代の鎮痛消炎成分
-
- フェルビナク
- インドメタシン
- ケトプロフェン
- ジクロフェナクナトリウム
ただし、このタイプの湿布薬にはかぶれや発疹、胃部不快感などの副作用のリスクや、喘息・アレルギー持ちの方は使用できないなど、使用上の制限があります。
まとめ:湿布薬や内服薬を上手に活用すれば、筋肉痛を和らげることができます
- 筋肉痛の緩和にバファリン®などの消炎鎮痛薬が効く
- 頻繁に利用するのはリスクが高いため、用法・用量を正しく守る
- 第二世代の消炎鎮痛成分を配合した湿布薬も筋肉痛に効果があるが、副作用や使用できない方もいる
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
筋肉痛(DOMS: delayed onset muscle soreness)の主な原因は、筋肉の微小な損傷や化学的なストレスによる炎症反応と言われています。そして、それを抑えるためには消炎鎮痛薬が有効とされています。
しかし、たとえばトレーニングによる筋繊維が肥大したり、持久力がついたりという効果は、この炎症に対する体の適応として起こります。これらの効果を期待してトレーニングをしたことで起きた炎症を消炎鎮痛薬で抑えることは、トレーニング効果の低下につながります。
したがって、予期せず起きた筋肉痛をどうしても取り除きたい場合に限って使うのが望ましいです。また、NSAIDsの使用は常に消化性潰瘍は腎機能障害などのリスクと隣り合わせであることにも注意しましょう。