膀胱炎の症状の特徴と治療で使われる薬について

膀胱炎になったときの代表的な治療薬である抗生物質。症状の改善が服用から1~2日後と比較的早いことからも心強い治療薬です。この記事では、膀胱炎の治療で使われる抗生物質の種類や副作用、服用時の注意点を解説します。

膀胱炎とは

  • 膀胱炎は尿道や膀胱、腎臓に細菌が増殖することで起こる感染症で、尿路感染症のひとつ
  • 一般的には男性よりも女性の発症率が高い
  • 再発に悩まされている人も多い

膀胱炎の症状

  • 尿の回数が多くなる
  • 排尿時の痛みや不快感
  • 突然尿意を催す
  • 残尿感がある
  • 下腹部の痛み
  • 尿のにごりや悪臭
  • 血尿

また、腎臓や腎臓と膀胱をつなぐ尿管での感染は、上部尿路感染症と呼ばれ、上記の症状に加えて38℃以上の高熱、わき腹や背中の痛み、悪寒、吐き気、嘔吐などがみられます。上部尿路感染症を発症すると、腎臓に損傷を与えたり、細菌が血流に入ってしまう可能性があるため、放置すると深刻な状態になる恐れがあります。

膀胱炎の治療法

  • 医師の判断によるが、尿検査で膀胱炎と診断されると抗生物質が処方されることが多い
  • 抗生物質は、膀胱炎をはじめとする感染症の治療に使われ、感染症の原因である細菌を殺す効果がある
  • 抗生物質を服用してから1~2日以内に症状の改善がみられ、3~5日以内に治ることがほとんど
  • ただし、症状が改善しても抗生物質は処方された分、最後まで飲みきることが重要

抗生物質を服用して症状が悪化したり、3日以上たっても症状が改善しない場合は医師・薬剤師に相談しましょう。

また、治療中は普段以上に日焼け対策を万全にすることをおすすめします。というのも、抗菌薬の中には肌を太陽光に対して敏感にさせてしまう作用があるものがあるためです。

抗生物質は妊娠中に服用できる?

  • 抗生物質の中には、胎児に影響を及ぼすものもある
  • 妊娠中の方、妊娠を考えている方は、その旨医師・薬剤師に伝える

また、経口避妊薬やアルコールなど、ほかの医薬品に予期せず反応する可能性もあります。抗生物質以外に服用している薬剤がある場合は、必ず医師・薬剤師に伝えましょう。

膀胱炎治療で使われる主な抗生物質

シプロフロキサシン・レボフロキサシン
  • ニューキノロン系のひとつ
  • 薬を投与したときに効率よく腸から吸収され、血液中へと移行する
  • ひとつの薬剤で多くの細菌を殺すのが特徴
ホスホマイシン
  • 他の抗生物質と併用することで相乗効果が高まる
  • 特に多剤耐性の黄色ブドウ球菌や大腸菌の殺菌に有効
  • セファロスポリン系の抗生物質との併用効果が大きい

主な副作用

シプロフロキサシン・レボフロキサシン
  • じんましん
  • 運動後の突然の痛み(特に、足首、膝または脚の裏、肩、ひじ、または手首)
  • 痛み
  • ひりつき
  • しびれ
  • うずき
  • 失神
  • 不整脈
ホスホマイシン
  • じんましん
  • 血が混じった、もしくは重度の下痢
  • 視野の変化
  • 重度の腹部の痛み
  • 黄疸

そのほか、抗生物質全体に共通した副作用として、下痢、めまい、頭痛、疲労感、食欲不振、腟の炎症及び不快感や痛みもあります。このような症状がある場合は、すぐに医師・薬剤師に相談してください。

抗生物質(抗菌薬)服用の際の注意点

抗生物質を飲むのを忘れたら
  • 飲み忘れに気づいた時点で、できるだけ早く服用する
  • ただし、次の服用のタイミングまでほとんど時間がない場合、飲み忘れた分は飛ばして、普段の服用のスケジュールを守る
  • 飲み忘れた分を補うために一度に2倍服用すると、副作用が起こるリスクが高くなるため、必ず1回分だけ服用する
誤って2倍の量を飲んでしまったら
  • 胃の痛み、下痢、吐き気や嘔吐などの副作用が起きることもあるが、一般的には深刻な副作用は起こらないことが多い
  • ただし、副作用が重症化した場合にはすぐに病院へ行く

まとめ:医師の指示に従って服用するのが基本。でも、副作用が辛ければ遠慮なく相談を

  • 治療の効果を得るには、医師の指示に従って抗生物質を飲む必要がある
  • 途中で飲むのやめたり、医師のアドバイスとは違う飲み方をすると薬が正しく作用しないことがあるため
  • ただし、副作用があるときは迷わず医師・薬剤師に相談する

医師から薬剤師の方々へコメント

前田 裕斗 先生
国立成育医療研究センター フェロー
前田 裕斗 先生

ちょっとした膀胱炎くらいであれば、水分摂取を多くして排尿を増やせば自然軽快することが多いですが、それでもよくならない場合は抗生剤を内服することがあります。上で紹介されたもの以外に、セフェム系も使用されますが、第3世代セフェムなど生体内利用率の低い薬剤は処方しないように注意しましょう。
処方する際の説明で大事なのは、処方された分を飲みきること、処方された薬を飲んでいて症状が悪くなる、発熱するなどあった場合病院を受診することの2点です。飲みきらなければ症状が再燃する可能性があり、症状増悪・発熱する場合は抗生剤が効かない菌か、内服では治療困難な場合があり、特に腎盂腎炎となった場合はほぼ必ず入院加療を要しますので、注意が必要です。