しつこい咳を止めたいときに処方される薬にメジコンがあります。この記事では、メジコン®︎の特徴や効果・効能、副作用などを紹介します。
メジコン®︎ってどんな薬?
- 咳中枢の興奮をしずめて咳を抑える薬
- 非麻薬性の薬のため、習慣性はない
- 風邪を含む上気道炎や気管支炎など、咳を伴う病気に処方されることが多い
- 痰が少ない空咳に向いているため、痰が多いときは別の去痰薬と併用することもある
メジコン®︎の効果は?
- 風邪
- 急性気管支炎
- 慢性気管支炎
- 気管支拡張症
- 肺炎
- 肺結核
- 上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)
また、気管支鏡検査や気管支造影術による咳も抑えられるため、検査中の咳がひどいときに使われることもあります。
メジコン®︎で起こりうる副作用は?
- 一般的に副作用は少ない
- ただし、まれに眠気・めまい・吐き気・便秘・頭痛・食欲不振などの副作用を引き起こすことがある
想定される重い副作用は?
- 呼吸抑制の初期症状として
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- 息切れ・息苦しさ
- 呼吸が少ない(呼吸が1分間に10回未満)
- いびきの異常
- 意識が薄れる
- ショック症状やアナフィラキシーショックの初期症状として
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- 悪心、冷や汗
- 手足の冷えやしびれ
- じんましん・全身発赤
- 顔やのどの腫れ
- めまい、血圧低下による意識の薄れ
メジコン®︎服用中の注意点は?
- 抗不整脈のアミオダロン(アンカロン)や、抗真菌薬のテルビナフィン(ラミシール)などと併用すると、メジコン®︎の血中濃度が上がる可能性がある
- 抗うつ剤と併用すると、抗うつ剤の副作用が強まる可能性がある
- 眠気が生じることがあるため、車の運転や危険な作業は控える
- 持病やアレルギーのある方も、診察時に主治医に相談する
まとめ:メジコン®︎は脳の咳中枢に作用して咳を止める薬です
- メジコン®︎は脳の咳中枢に作用し、のどや気管支からの刺激に対する反応を止めて咳を抑える薬
- 風邪・気管支炎・肺炎などの疾患や、気管支の検査などに伴って咳がひどい場合に処方される
- 副作用がほとんどないと言われているが、まれに眠気やめまい、吐き気などを引き起こすことがある
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
メジコンはとても頻用される鎮咳薬で、あまり痰の量が多くない乾性咳嗽が良い適応です。しかし、鎮咳作用としてはあまり強くなく、風邪の後のしつこい咳を止めるにはメジコン単剤では不足することが多いです。また、用量が不足しているために効かないことも多いです(15mg3錠/日では効かないことが多いため、15mg6錠/日に増量することがあります)。そのため、メジコンに加えて麦門冬湯など別系統の鎮咳薬を併用することがあります。
患者さんの中には「咳止めを出されたけど効かなかった」と言われる方も多いです。まずは用量が適切かどうか確認し、十分量であれば別の鎮咳薬の併用、あるいはさらに強力な鎮咳薬への変更が必要でしょう。