寒い時期、特に多い肌トラブルが乾燥肌です。粉がふいたり、皮膚がカサカサになったりなど、さまざまな症状があらわれますが、なかでもやっかいなのが「かゆみ」ではないでしょうか。今回は、乾燥肌によるかゆみに有効な対策をご紹介します。
肌のかゆみの原因は?
- 肌のかゆみの原因として、特に多いのが肌の乾燥
- 健康な皮膚は、表皮の外側にある角層のバリア機能によって細菌の侵入や水分の蒸発を防ぐが、乾燥した空気にさらされていると、皮膚表面の水分や油分が失われているため、肌のバリア機能が低下する。その結果、アレルゲンなどの刺激物質にも敏感に反応してかゆみが起こりやすくなる
乾燥肌によるかゆみ、対策は?
お風呂のお湯は40℃以下に設定する
- 40℃以上のお湯は皮膚の回復を遅らせたり、肌から皮脂を奪って乾燥肌を悪化させる
顔や体は「泡」で洗う
- ゴシゴシこする洗い方は肌に刺激を与える
- せっけんをしっかり泡立てて、肌をなでるように洗う
バスタオルは押し当てるように使う
- バスタオルで肌を強くこすってしまうと、肌荒れや乾燥肌の原因となる
- 軽く押し当てるようにして、水分を吸い込ませるつもりでタオルを使う
入浴後はすぐに保湿する
- 保湿は乾燥肌によるかゆみ対策として特に重要
- 洗顔や入浴後は角層から保湿成分が流れ出やすくなっているため、30分程度経つと入浴前よりも肌が乾燥しているとも言われる
- 入浴後だけでなく、1日数回こまめに保湿剤を塗る
ビタミン類を摂取する
- 特にビタミンAやCには、肌のターンオーバーを促し、潤いを保持する効果があると言われる
- ビタミンAはうなぎやレバー、かぼちゃなどの緑黄色野菜に、ビタミンCはキウイやイチゴなどのフルーツ、赤ピーマンや黄ピーマンなどに豊富に含まれる
まとめ:やさしい入浴を心がけて、乾燥から肌を守りましょう
- 熱いお風呂に入る、タオルで肌をゴシゴシ拭くなど、ついやってしまいがちな習慣が乾燥肌やかゆみを悪化させる原因となる
- 入浴中だけでなく、入浴後のケアを心がけて、乾燥から肌を守ることが大切
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
最新の論文をまとめたメタ解析では、肌のケアで最も重要なのは保湿という結論が出たようです。そのほかのビタミン配合といったものは、「効果はあるかもしれないが、そのエビデンスは弱い」ということです。まずはとにかく保湿をしっかりすることが大切です。