眠れないほど咳がひどいとき、病院で咳止めの薬を処方してもらえることがあります。この記事では、病院で処方される代表的な鎮咳薬の一種「フスコデ®」について、その作用・副作用や特徴、使用上の注意点などをご紹介します。
フスコデ®︎の特徴は?
フスコデ®は、以下の3種類を主な有効成分とする中枢性鎮咳薬です。
- ジヒドロコデイン …脳の咳中枢に働きかけて咳を止める
- メチルエフェドリン…気管支を拡張し、呼吸そのものを楽にする
- クロルフェニラミン…痰の発生と、アレルギー反応を抑える
フスコデ®は、一般的な咳止めが効かない頑固な咳にも効果を発揮するのが特徴です。
フスコデ®︎服用時の副作用は?
- 比較的軽度だが、発症頻度が高い副作用
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- 眠気
- めまい
- 目のかすみ
- 口内の乾燥
- 吐き気
- 食欲不振
- 倦怠感
- 重度な副作用(頻度はまれ)
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- 血液成分の異常(発熱・口内炎・出血・のどの痛みなどを伴う)
- 服用量が増えたときに起こりやすい副作用
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- 頭痛(頭が重い感じ)
- 動悸
- 不安感
- 手の震え
- 痰が出にくくなる
- 便秘
- 排尿困難
- 長期に大量服用したことによる依存性
フスコデ®︎を服用するときの注意点は?
服用にあたって注意が必要な方
- 呼吸機能が弱っている方
- 12歳未満の小児
- 緑内障、前立腺肥大、また排尿困難の持病がある方
- 高血圧症、甲状腺機能亢進症、腸の閉塞・通過障害がみられる方
- 妊娠初期、または出産直前の妊婦、授乳中の女性
飲み合わせに注意が必要な薬や飲食物
- 眠気やめまいの副作用を増幅される恐れのあるもの
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- 脳の神経を鎮める作用のある一部の安定剤
- アルコール類
- 動悸や不整脈の副作用を増幅させる恐れのあるもの
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- アドレナリン(ボスミン®︎)、イソプロテレノール(イソメニール®︎またはプロタノール®︎)などのカテコールアミン製剤
- テオフィリン(テオドール®︎)
- ステロイド薬
- 利尿薬
- レポチロキシン(チラージン®︎)
- 口の渇き、排尿困難、便秘の副作用を増幅させる恐れのあるもの
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- 三環系の一部抗うつ薬や安定剤
- 痙攣を抑える作用のある胃腸薬
まとめ:フスコデ®は、3つの有効成分から構成される効果的な咳止め薬です
- フスコデ®は、脳の咳中枢への作用、気管支の拡張作用、抗ヒスタミン作用のすべてを持ったは中枢性鎮咳薬
- 特定の薬やアルコールとの飲み合わせ、一部の年齢・持病のある人や妊産婦への使用は要注意とされている
医師から薬剤師の方々へコメント
山本 康博 先生
フスコデ®は強い鎮咳作用を持った中枢性鎮咳薬です。夜に乾いた咳が止まらなくて眠れない方に有効であることが多いです。
しかし、実際には副作用で眠気を訴える方が多く、日中に内服すると仕事にならないことが多いです。一般に、咳は特に夜間に困ることが多いので、日中は弱めの鎮咳薬にして、どうしても咳を止めたいときや夜にだけ、フスコデ®を頓服で内服するとよいかもしれません。